今朝の朝日新聞に私のコメントが一部引用されましたが、
私の意図とまったくちがうことが「( )」の形で補われ、
ある方向へ持っていこうとする朝日新聞側の意図を感じます。
7月3日付朝日新聞には私がコメントした内容として、
以下の引用分が記載されました。
なお、引用文中の( )は私の言葉ではありません。
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「政党助成金も寄付も少ないため、当選者なら1千万円
以上(自腹で)出した」と明かす。
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私が取材に来た記者に話したことの概要は以下の通りです。
1)みんなの党の結党直後の2009年の衆議院選挙は、
党にお金もなかったので、選挙資金もほぼ自腹だった。
2)2010年の参議院選挙も、政党助成金なども少なく、
選挙資金の全額を党で負担するのはむずかしかった。
しかし、ある程度は公認料等の形で支援した。
3)そもそも国政選挙に出るハードルが高いのは問題である。
議員秘書や地方議員、資産家、弁護士や医師といった、
政界に足掛かりのある人やお金のある人ばかりが、
国会議員になるのは問題である。
4)サラリーマン等のふつうの人が選挙に出られるように、
政党助成金等を活用して党として選挙資金を負担し、
自己負担を極力少なくすることが望ましい。
5)また、企業や公務員も「選挙休職」のような制度を導入して、
政治にチャレンジする際のリスクを減らすことにより、
参入障壁を低くすれば、優秀な人材が国政に入りやすくなる。
おおまかこういう流れで概要を説明しました。
言いたかったことは、いかに参入障壁を下げるかという点です。
取材に来た記者も、そういうふうに理解していたと思います。
その中で参院選当選者なら、党の助成金や自己負担をあわせて、
だいたい1千万円以上は使ったのではないか、と話しました。
各候補者の選挙資金報告を精査したわけではないので、
単なる推測としてコメントした覚えがあります。
私の説明が舌足らずだったのかもしれませんが、少なくとも
「自腹で1千円以上」という言い方をした記憶がありません。
実際に朝日新聞も「自腹で」の部分は( )でくくっているので、
私が言ったわけではないコメントを勝手に足しているのは、
自覚している様子です。意図をねじ曲げる悪質な捕捉説明です。
こういうことを学術論文でやれば、審査で落とされます。
新聞なら許されるのかもしれません。不思議です。
当然ながら、取材に来た記者にはさっそく抗議しました。
まじめで誠実そうな記者だったのに、とても残念です。
こちらは1時間ほど時間をとり、できる限り丁寧に説明し、
誠実に取材に答えたつもりだったのに、本当に残念です。
おそらく「国会議員はみんな悪いヤツだ」という前提で。
取材しているのかもしれません。悲しくなります。
しかし、天下の朝日新聞が、一若手議員の抗議くらいでは、
簡単に訂正記事を出すはずもありません。
仕方がないので、ブログを使って朝日新聞に抗議します。
不誠実な取材のやり方と作為的な( )補足は、悪質です。
言ってもいないことを( )で勝手に足すのは、反則です。
ジャーナリストとしての良心が痛まないのでしょうか。
そしてこの場を使って、あらためて主張を述べます。
いまの選挙制度では、地方議員や秘書出身者、弁護士や医師、
資産家やキャリア官僚がどうしても有利になってしまい、
ふつうのサラリーマンや地方公務員にはハードルが高いです。
ふつうの市民感覚を持ち、それぞれの分野で専門性のある人が、
さほど大きな犠牲を払わずに、国政にチャレンジできる制度が、
本当は望ましいです。「選挙休職」制度等も必要です。
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