先日、衆議院選挙の違憲判決が出ました。当然です。
住んでいる場所によって1票の投票価値が異なるのは、
いわば「住所差別」と言ってもよいでしょう。
みんなの党は以前から1票の格差をゼロにするために、
「一人一票比例代表法案」という公選法改正案を提出し、
各党に協力を呼び掛けてきました。
かつて政治改革の議論は、小選挙区制度導入に矮小化され、
「二大政党制による政権交代可能な小選挙区制度」こそが、
日本政治を良くする策だと喧伝されていました。
しかし、小選挙区制による二大政党制が正しいという前提も
かなり疑わしいものであることは既に述べてきました。
*ご参考:2009年11月27日付ブログ「二大政党制は正義か?(1)」
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-ca55.html
そして比例代表制度には様々なメリットがあることが、
日本では意外と知られていませんので、ご紹介します。
比例代表制のメリット
1)一票の格差がなくなる。
・違憲判決が出た後だけにこの点は重要だと思いますが、
一票の格差はなくなります。単純明快です。
2)投票率が上がる(7~10%)。
・各国の選挙制度の比較研究によると、小選挙区制度に比べて、
比例代表制度は、投票率が平均7~10%高くなります。
・死票がなくなることが、最大の理由と思われます。
3)多様な意見が反映される。
・比例代表制だとゆるやかな多党制になりやすく、
結果的に多様な意見が反映されるようになる。
・死票は少ないことも多様な意見の反映に貢献する。
4)女性議員の比率が増える。
・比例代表制のすれば、候補者名簿のバランスが重視される。
偏った候補者名簿だと幅広い民意を反映できなくなるために、
女性や少数意見を代表する候補者も名簿に記載される。
・結果的に比例代表制の方が、女性議員の比率が高くなる。
以上の比例代表制のメリットは、政治学の本には出てきますが、
日本では一般の人にあまり知られていないように思います。
比例代表制のメリットを考え、選挙制度を改革したいものです。