政界再編には3パターンあると思います。
1)複数の政党が統合してひとつの政党になる。
2)複数の政党を離党した議員が合流して新党をつくる。
3)複数の政党が「政党ブロック」を組んで協力して、
政権獲得を目指す(自公連立のイメージ)。
上述1)の動きはすぐには現れそうにありません。
一緒になれそうな政党の組み合わせもありません。
よく報道されるのは2)のパターンを目指した動きで、
維新、民主等の一部議員の会合がそうかもしれません。
維新、民主、みんなを離党した人たちで集まり、
新党をつくるのは、簡単ではないでしょう。
国民の多くは新党騒ぎに飽きていると思います。
この数年の間、できては消える新党が多数あり、
国会関係者でさえ思い出せない党があります。
みんなの党は、新党ブームの嚆矢でした。
根強い支持層がいて生き残っていますが、
消えていった新党はたくさんあります。
「未来」とか、「きづな」とか、「減税日本」とか。
いまさら新党をつくっても新鮮さはありません。
おそらく「またか」と思われるだけです。
各政党をバラバラと離党した脱藩浪士が集まり、
新しい藩をつくろうとしているように見えます。
いまさら藩を新設しても仕方ないと思います。
江戸幕府を倒すでもなく、新政府を創るでもなく、
単に新しい藩をつくるだけに終わる予感がします。
野党がさらに分断され、自公政権を利するだけです。
最終的に幕府を倒したのは脱藩浪士ではなく、
薩摩や長州といった藩の正規軍でした。
私は「政党ブロック」による政界再編が、
もっとも現実的だと思っています。
それは、欧州ではよくあることです。
政党間に政策や理念のちがいはありますが、
話し合いを通じて共通政策をつくりあげて、
「自公政権よりだいぶマシ」という政権を
つくることを目指すのもひとつの手です。
各野党が原理主義的な政策を振りかざして争い、
協力をしなければ、自公政権が続くだけです。
もちろんどの政党とでも組めるわけではなく、
左右の両極の政党とは組みにくいでしょう。
他方、真ん中あたりの政党は組めるでしょう。
自公政権が長期政権になるデメリットに比べれば、
いわば「だいぶマシ」政権に代わる方がマシです。
ガス抜き的に声高に政策を訴えるだけの政党では、
国民と支持者の役に立つことができません。
支持者の利益のために政権参画を本気で目指すなら、
ある程度譲歩してでも他の政党と協力すべきです。
他の政党と100%政策が一致しなくても、
協力することは十分に可能です。
そうやって欧州では「中道右派ブロック」とか、
「中道ブロック」といった政党群が形成されて、
複数の政党が協力し、政権獲得しています。
またしても脱藩浪士で政党をつくったところで、
第二の「日本維新の会」ができるだけです。
自民党の補完勢力のような新党はいりません。
*ご参考:2013年8月6日付ブログ「政界再編は「陣地戦」で」
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-16c4.html