(産経新聞)
山陽道の要衝として古くから栄えた山口県岩国市。初代大審院長となった玉乃世履(たまの・よふみ)や、東芝創業者の一人で日本のエジソンと呼ばれた藤岡市助ら、明治日本の先導者を輩出するなど幕末から教育に力を入れてきた小都市だ。しかし今春、市内の公立小学校47校のうち2校が統合し、6校が一挙に廃校となる。 創設から140年という由緒ある学校も含まれ、地元の高齢者を中心に存続を望む声も少なくなかった。だが、子供の増加は見込めず、市教育委員会は「時代の流れには逆らえない」と廃校を決断した。
◆合同部活動の増加
社会の担い手を育てる学校がなくなり、地域の活力が失われていく。文部科学省の学校基本調査によると、1985(昭和60)年に全国で2万5040校あった小学校は、2013(平成25)年に2万1131校と約30年で4千校近く減少。東京五輪開催の20年には2万校の大台を割る可能性もある。
廃止を免れた学校も昔のままではない。影響はすでに部活動で顕著だ。スポーツ系の部活動で汗を流す中学生の数は減少の一途。1校だけではチームを編成できず、2校以上の「合同部活動」の数は年々増加傾向にある。
13年度で合同の部が最も多かったのはバレーボールの177。04年度から30も増えた。軟式野球部でさえ、154と04年度の88から2倍近くに増えている。日本中学校体育連盟(中体連)では「加入率向上を目指したい」というが、容易なことではない。
明治維新から150年。少子化という国難は、われわれにはっきり見える形で現れ始めた。
今後も出生率が現状のまま推移した場合、日本の年間出生数は加速度的に減少していく。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計によると、12年に103万7千人だった出生数は20年に83万6千人、さらに60年には48万2千人と50年たたない間に半減する。
「近い将来、日本は近代国家になって以来、最も子供が少ない時代を迎える」
社人研の是川夕(これかわ・ゆう)研究員が指摘する。
総務省によれば、14歳以下の年少人口は1955年の3012万人をピークに減り、2012年は1655万人と4割以上も落ち込んだ。60年には791万人にまで落ち込む見通しだ。
◆平等教育通用せず
子供が少なくなる社会にどう対応するのか。これまでは出生数減に歯止めをかける議論が中心だったが、われわれは激変する社会を担う次代のリーダーづくりも急がなければならない。 教育の在り方は変えざるを得ない。その試みの一つが、文科省が来年度から始める「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」だ。国公私立高校と中高一貫校から優れたカリキュラムを提案した50校をSGHに指定。語学力だけでなく、討論、発表、グループワークなどを通じて、国際的な課題を解決する力をつけさせ、将来のグローバルリーダーに育て上げようとしている。 3月中旬。SGHを目指す都立立川国際中等教育学校(東京都立川市)の教室をのぞくと、英語の授業中で、生徒たちは外国人の指導助手(ALT)に促され、抑揚をつけながら会話の練習に励んでいた。 帰国子女や外国人生徒が多い同校では、自然に国際的なニュースに関心が向く。この日も、行方不明となったマレーシア航空機について英語で議論する生徒たちの姿がみられた。
1年生(中1生)の大野夏実さん(13)がこう話してくれた。 「英語を一生懸命勉強して、外国人と話せるようになりたい。将来の夢は外交官」 文科省幹部は「すべての子供に、SGHのレベルを求めているわけではない」とエリート教育の必要性を隠さない。 人口減少という荒波を乗り越えるには、いよいよ“平等教育”では通用しなくなる。日本の生き残りをかけ、われわれに戦後の殻を破るときが迫っている。』
少子化による18歳人工の減少期だからこそ、日本の受験地獄の低年齢化している受験競争の解消と大学入学試験制度改革で、テスト中心の偏差値重視の教育を是正するチャンス到来と思います。日本の受験勉強中心の勉強で、健康で体力の有る心身ともたくましい子供達が増えたとは思いません。受験勉強過多のテスト中心の偏差値の重視で、競争主義教育の定着で小学生生から鬱病になったり、引きこもりや不登校も増加し、外で小さい子供の時から友達同士伸び伸び遊ばなくなり友人関係や友情も損なわれたのでは有りませんか。進取精神に富んだ明治の人達に比べ精神力が強く、健康で体力の有る子供達が今の日本で多いように思いません。知識が有り頭が、良くても精神的にも肉体的にも不健康な子供達が増えたと思います。
日本の学校教育の場合、受験競争育の影響で知識詰め込み教育が優先し世界の子供達と比べ日常生活に中から学ぶ生活体験学習が軽んじられ、自然から学ぶ自然体験学習もおろそかになっています。天然資源の乏しい日本では、独自の技術開発と発明が望まれる中、物真似ではない創造力豊かで独創性の有る世界通用する人材が今後日本には必要です。目先の知識詰め込み教育だけでは、教育成果を挙げれるません。
今の日本では、バブル経済崩壊後失われた三十年間で、社会的格差が拡大し、地方と都市圏との経済格差、所得格差も現実に広がり教育の平等性は崩れ、経済的に恵まれた家庭の子供しか難関国立大学に合格しにくい現実も見据えるべきです。奨学金の貸与を受けた学生が、大学卒業後返還に苦慮している現実も考えるべきです。国家が未来を背負って立つ子供達の人材養成の為に予算の支出を増やして行くべきでは有りませんか。
国際化時代で、英語教育も大切ですが。、今の正しく日本語を書け、話せ、聞けない子供達が小学校から高校生まで増えています。母国語の日本語教育の大切さや充実を見直さないと日本語と日本の伝統文化は衰退します。