10月24日 09:30
生徒たちと過去のブログを振り返る丹後政俊校長=三田市ゆりのき台3、三田西陵高校
(神戸新聞)
兵庫県立三田西陵高校の丹後政俊校長(59)が学校ホームページ(HP)に載せているブログ「校長先生 絶こうちょう」が、更新400回を迎えた。前任校から通算すると、4年半で千回。お気楽な内容とユーモアで人気が定着し、HPのアクセスは月に約1万5千件で推移している。(山岸洋介)
丹後校長は、入学式や卒業式で趣味の狂言をいきなり披露して生徒の門出を祝ったり、生徒と語り合いながら一緒に下校する企画を始めたりと、ユニークな人柄で知られる。
ブログは篠山東雲高の校長だった2012年4月、保護者の「学校の様子を知りたい」という声を受けて始め、3年間で600回更新。昨年の春に三田西陵高へ着任した後も、休日以外はほぼ毎日更新する。
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愛用のカメラを持って校内を歩き、授業や部活、休み時間の生徒らを撮影。やりとりを軽妙な文章にして紹介し、その中に独自の教育論や人生観を織り交ぜる。「人生は運や流れを大切に、目の前の結果に一喜一憂しない」「他人と比べない」「ぼちぼちやれば、なんとかなる」
校内の合唱コンクール前には、こうつづった。「結果も大切だが、どれだけ自分の力を出したかが大事。タナボタの結果だけで生きている校長が言うので説得力がないが」
夏休みの宿題については「とりあえず期限内でできたところまでで良しとする、こんな適当な人生観でも(校長は)生きてこられた。『人生はじたばたするもの』と達観してしまえば、どうということはない」と記した。
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昨年秋には、ブログを紹介した本紙記事をきっかけに民放番組で放映され、司会のタレント国分太一さんが「なんすか、この校長!」と感嘆。ブログ開設前に約1万件だったHPの月間アクセス数が、放映後には4万4千件を超えた。
生徒からも熱い声が寄せられる。2年の女子生徒(17)は「自分で思うより、限界は先にある。リミッターを外せ」という言葉に勇気づけられたという。2年の女子生徒(17)は「自然体の私たちを載せてくれる。見るのが楽しい」。3年の男子生徒(18)は「進路に悩んでいたけど、ブログで助言を読んでほっとした」と語る。
校長は7日、400回目のブログに「生徒の意見を反映して一層親しみのあるブログを」と目標を記した。
インターネット時代のブログを校長先生が、自らアップされて生徒と保護者の触れ合いに生かされているのは素晴らしいと思います。
校長先生の「人生は運や流れを大切に、目の前の結果に一喜一憂しない」「他人と比べない」「ぼちぼちやれば、なんとかなる」は、気楽ではなく、大切な教育論で、人生論と思います。