毎日新聞 5/7(日) 10:00配信
米空母「カール・ビンソン」がたどった航路(推定)
北朝鮮情勢緊迫化で注目を集めたが、動向に不明な部分も多かった米原子力空母「カール・ビンソン」。米軍への取材などから航跡を再現、派遣したトランプ米政権の意図を探った。【ワシントン会川晴之】
「カール・ビンソンは韓国から5600キロ離れた南洋にいる」。そう報じたのは米軍事専門紙ディフェンス・ニュース(電子版)。4月17日のことだ。朝鮮半島近海に急派されたと考えられていたが、15日にはインドネシアのスマトラ島とジャワ島の間にあるスンダ海峡を通峡中だった。
「大統領は間違った発信を自覚しているのか」。19日のホワイトハウスでの会見では厳しい質問が続発。スパイサー報道官は「メディアの誤解」と反論した。4月8日、カール・ビンソンがシンガポールを出航し「西太平洋」に向け北上したとハリス米太平洋軍司令官が発表。北朝鮮を念頭に米軍が動いたとメディアは受け止めた。故金日成(キムイルソン)主席の生誕記念日が15日で、北朝鮮はこうした記念日に核実験や弾道ミサイル発射を行う傾向があるためだ。トランプ米大統領も12日放映のテレビ番組で「大艦隊を派遣した。空母よりずっと強力な潜水艦数隻も伴っている」と明言。派遣肯定と受け止められた。 以後、朝鮮半島をめぐる緊張が一気に高まる。15日、平壌で開かれた軍事パレード。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が見守る中、米本土を射程に収める新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられる装備が相次いで登場した。米空母接近を意識したのか対艦弾道ミサイル「KN17」もあった。だが、カール・ビンソンの姿は、とらえられないままの状況が続いた。「空母は、自らが姿を誇示しようとする時以外は敵から発見されにくい」 ジェームズ・ウィンヘルド前米統合参謀本部副議長(退役海軍提督)は4月25日、戦闘機パイロットだった経験を元に米外交専門誌にこう書いた。米原子力空母の最高速度は時速50キロ超。1日1200キロ移動できる。米海軍に詳しい道下徳成・政策研究大学院大学教授が解説する。「東西冷戦時代、ソ連は米空母を追い切れなかった」。ソ連は米空母が出す音を頼りに追跡を続けた。それを知る米軍は同じような音を随行艦に出させる。空母本体を突き止めるのは運任せだ。道下教授は「空母は消える。それが軍の常識だ」と話す。 全長333メートル、幅77メートルもあるカール・ビンソンが「消える」ことは可能か。ある軍事専門家は「南シナ海や近海以外なら、中国は今も米空母を見つけられないはず。軍事偵察衛星を使っても視野は限られる」。空母が朝鮮半島周辺にいると見せかければ、北朝鮮への大きな心理的圧力となる。
◇日韓の不安払う狙い
シンガポール出航後、カール・ビンソンは14日まで南シナ海で訓練した写真が公開されている。その後、南に反転。15日にスンダ海峡を抜けインド洋に入った。「ジャワ海やインド洋も広い意味では発表の『西太平洋』に入る」。国防総省の報道担当官は取材に笑みを浮かべながら答えた。次に姿が確認されたのは21日で、フィリピン近海のセレベス海を北上中。意外な場所だ。ジャワ海から朝鮮半島に急行する最短距離は、南シナ海ルートだ。国防総省は取材に「南シナ海は通らなかった」と明言。軍事関係者は「中国が神経をとがらす場所を避けたということだ」と解説する。「今回の任務は北朝鮮だけを目的に据えたもの。そのメッセージを中国に明確に送ったと見た方が良い」カール・ビンソンはその後、フィリピン海で日本の自衛隊と訓練を重ね北上を続ける。 26日には「現在、沖縄の東海上だ。要請があれば2時間で北朝鮮を攻撃できる。数日間は北に向かう」と、ハリス司令官が議会公聴会で証言した。29日、長崎県沖の対馬海峡を通過し日本海に入った。 海軍は最大の原子力潜水艦「ミシガン」も25日、韓国・釜山に寄港させた。巡航ミサイル「トマホーク」を154発も積み、海軍特殊部隊が66人搭乗できる。通常1年間を海中で過ごす特殊艦を、あえて見せた。トランプ氏はこの2日後、ロイター通信に「大きな軍事衝突に発展する可能性は当然ある」と語った。 米軍が存在感を示し、トランプ氏が好戦的言動を取る。これが北朝鮮の軍事行動を加速させ、偶発的衝突の可能性が高まる。この懸念が米国内に根強い。ホワイトハウス高官は「我々の行動に対する北朝鮮の反応は十分に検討している」と述べつつ「リスクはゼロではない」とも語った。今回の空母派遣劇で、トランプ政権は「やる時はやる」と北朝鮮にメッセージを送っただけでない。「有事の際に守ってくれるのか」という不安を持つ日韓両国を安心させる意図もあったはずだ。そんな見方がワシントンで広がっている。最終更新:5/7(日) 11:17 毎日新聞
十万トン級の原子力空母でも公表している30ノット以上56キロメートル以上のスピードを海上で出せるカールビンソンはは、超高速原子力空母だと思います。旧日本海軍の最速駆逐艦『島風』の40ノット以上のスピードを海上で出せる高速原子力空母ではありませんか。本当の最高出力や洋上での最高速度は、戦前の旧日本海軍でも軍艦の最高速度は、軍事機密でしたので、一々公表しないと思います。平和呆けした今の本人には、り理解できないのでは有りませんか。就役よりか改修を重ねたアメリカの最新科学技術と工業生産力の高さを物語るものです。神出鬼没の隠密行動も巨艦とは、裏腹にすばしこい高速原子力空母だから出来ることではないでしょうか。