現在の大学入試センター試験に代わり、2020年度から始まる「大学入学共通テスト」(仮称)の実施方針案が16日、文部科学省によって公表され た。英語の「読む・聞く・話す・書く」の4技能を民間の試験で測る方針や、国語と数学で行われる記述式の問題例も示された。大学入試にとっては約30年ぶ りの大改革だが、受験生を送り出す高校からは不安が漏れる。
共通テストは、現役なら21年4月に大学に入る今の中3から対象になる。
英語では、グローバル社会で求められるコミュニケーション能力を重視。英検やTOEICなど民間の試験を想定し、4技能を評価する方式に大きく転 換する。いまの高校の学習指導要領は4技能を育てるよう求めているが、マークシート式のセンター試験では「読む・聞く」しか測れないためだ。 また、民間試験は学習指導要領との対応や採点の質といった条件を満たすものを大学入試センターが認定するが、都市と地方で受験機会に差が出たり、 受験料が高い試験があったりして公平性には課題もある。松野博一文科相は記者会見で「試験の実施団体に受験料の値下げや、全都道府県で試験を実施するよう 協力をお願いしたい」と述べた。
実施方針の発表を受けて、甲信越地方の県立高校長(59)は「英語のスピーキング対策に教員の手が回らないのでは」と不安を語った。この高校で は、これまでも英検などを受ける生徒が希望した場合、昼休みや放課後に一対一で指導してきた。昨年度は40〜50人に、英検の2次試験対策として模擬面接 を行ったという。しかし、センター試験は1学年320人のほぼ全員が受験するため、300人以上に指導しなければならない可能性がある。
一方、東京都内の中堅私立中高一貫校は今回の改革を数年前から先取りしている。中1から週8コマの英語の授業のうち、英語が母語の教員が3コマを担当。授業を英語で行い、生徒が考えを発表して文章を書く活動に力を入れる。
「4技能強化は意識的に取り組んでおり、今後も海外研修などを通じて、生徒の力を高めたい」と英語科の男性教諭(51)は話す。
4技能試験の導入を検討してきた、大学入試センターの有識者会議委員の吉田研作・上智大言語教育研究センター長は「予備校が先に対応し、学校現場が取り残される事態は避けなければならない。入試改革を機に、高校はしっかり取り組んでほしい」と求める。 同じ会議の委員で東京外国語大大学院の根岸雅史教授も、4技能測定の意義は認めながらも、ハードルは多いと語る。ず挙げるのは、英語だけが他教科と違い、段階別表示になることだ。「そのことに国民的合意が得られるか」
「測定の面でも課題がある」と根岸教授。留学用、ビジネス用と狙いが異なる民間試験の結果をどう比較するか。結果を国際基準に置き換えて比べると はいえ、どこまで厳密な比較が可能か。「欧州では同じ能力でも高く評価してくれる『甘い』試験が人気を集め、試験団体が得点の安売り競争に走る例があった と聞いている」と話す。』
日本の「18歳人口は、戦後「団塊の世代」が18歳を迎えた1966年にピークである249万人になりました。その後、増減がありましたが、団塊ジュニアの多くが18歳を迎えた1992年には、205万人を保っていました。大学が「受験バブル」を迎えたのはこの頃です。日本の人口は、2008年の1億2800万人をピークに減りはじめました。翌年の2009年には、18歳人口は121万人にまで減少。その後も減り続け、2014年には118万人になってしまいました。最近の数年間は、18歳人口は横ばい状態を保ってきましたが、国立社会保障・人口問題研究所では、2018年ころから再び減少傾向を強め、 2018年に117万人になると推計しています。2024年には110万人を切り、2031年度にはついに100万人を切り99万人。減少の一途をたどる と考えられています。」大学が倒産する「2018年問題」2016年10月28日 predict未来予測より一部引用
これからは、受験戦争一点張りの学校教育を改める為にも大手予備校に依存せず大学自身が、入試問題を大学の伝統や校風を生かして昔のように作成すべきです。今は、大学自身の電子計算機センターや最新印刷機器も備えているので不可能ではありません。
潰れる大学・伸びる大学シリーズ「Yellbooks」の著者経済学者梅津和郎氏は、大学の経営診断をされて、私立大学は慶応大学と早稲田大学の理工学部だけしか楽に生き残れないと分析されています。受験勉強に偏り、受験競争が低年齢化している今日2018年の大学危機大学入試制度の改革期として取り組むべきです。2018年から入学定員割れをしている私立大学の学部閉鎖や廃校と本格的な大学倒産時代、冬の時代の到来です。今後大学の質的向上は、18歳人口の減少により大学が、自然淘汰されることになると思います。
遅かれ早かれ大学自身が、入試改革に取り組み、入試問題を作成しなければならない時期は、訪れると思います。
文部科学省による人文科学、社会科学系統の学部の廃止と地方の国立大学の統合試案は、大学倒産時代の整理統合の先取り調査の結果かも分かりません。
今後現行の大学入試制度の改革と大学を学部閉鎖や廃校、倒産した大学の学生の卒業までの支援とリストラされた大学教員が、文部科学省に救済を全国的に求める状況になると思われます。