元日本ハム監督・梨田氏がコロナ感染…重度の肺炎で集中治療室に
2020/04/02 05:13
今年2月12日にヤクルトのキャンプ地、沖縄・浦添を訪れた梨田氏。評論家として精力的に活動していた
(サンケイスポーツ)
プロ野球の近鉄、日本ハム、楽天で監督を務めた梨田昌孝氏(66)=野球評論家=が新型コロナウイルスに感染したと1日、マネジメント会社が発表した。3月31日に重度の肺炎と診断されて入院。この日に陽性が判明し、集中治療室(ICU)に入っているという。新型コロナウイルスによる肺炎でタレント、志村けんさんが70歳で死去したばかり。高齢者は重症化するリスクが高いとされるだけに、名将の容体が心配される。
新型コロナウイルスの猛威が、球界の名将にも及んでしまった。近鉄、日本ハム、楽天の3球団で監督を歴任した梨田氏が、新型コロナウイルスに感染したことをマネジメント会社が発表。大阪府内の病院でPCR検査を受け、陽性反応が出た。
「1週間前に電話で話したときは、いつもと変わらず元気でした。2日前の朝も話したのですが…。今は見守っているところです」。マネジメント会社の関係者が現状を説明した。
梨田氏は3月25日に倦怠(けんたい)感を訴え、自宅で静養を続けていた。同28日に発熱、同30日に呼吸困難の症状が出たため病院を受診し、同31日には重度の肺炎と診断された。そのまま別の病院に搬送されて入院。検査を受けてこの日、感染が判明した。現在は集中治療室(ICU)に入っており、人工呼吸器をつけているとの話もある。
梨田氏は1972年に島根・浜田高からドラフト2位で近鉄入りし、強肩捕手として17年間プレー。余計な力を抜く目的で両腕をクネクネと動かしながら構える「こんにゃく打法」を武器に勝負強い打撃を見せ、ファンの人気も高かった。
88年に現役を引退し、2000年に近鉄の監督に就任すると、翌年にリーグ優勝。04年シーズン後にオリックスと球団合併するまで指揮を執った“近鉄最後の監督”でもある。09年に日本ハムでもリーグ優勝を果たし、その後は楽天でも18年途中まで采配を振った。今年2月には、NHKの解説者などの仕事で沖縄を訪れ、各球団のキャンプを視察する姿も見られた。
全国で感染者が増え続ける新型コロナウイルスだが、影響はスポーツ界にも急速に広がっている。プロ野球界は藤浪晋太郎投手(25)、伊藤隼太外野手(30)、長坂拳弥捕手(25)の阪神3選手が感染。サッカーではJ1神戸の元日本代表DF酒井高徳(29)の陽性が判明した。健康な若者でも感染する可能性が十分にあることが浮き彫りになっている。
また、3月29日にはタレントの志村けんさんが70歳で死去したばかり。高齢者や持病を持つ人は特に重症化するリスクが高いとされるだけに、状態が懸念される。
マネジメント会社は「本人も病状の回復に全力で努めておりますので、どうか静かに見守っていただけますと幸いです」とコメントした。監督として通算805勝を挙げた梨田氏を襲ったまさかの感染被害。多くのプロ野球ファンに愛される名将の、一日も早い回復が待たれる。
2016年から2年間、梨田監督の下で楽天の投手コーチを務めた中日・与田剛監督(54)「早く回復されることを願うばかりです」
ブログでエールを送った元日本ハム監督で、がん闘病中の大島康徳氏(69)「梨田昌孝さん! 梨田! 頑張れ! 頑張れ!! 頑張れ!!!」
梨田 昌孝(なしだ・まさたか)
1953(昭和28)年8月4日生まれ、66歳。島根県出身。浜田高から72年ドラフト2位で近鉄入団。捕手としてベストナイン3度、ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)を4度受賞した。88年に引退。近鉄でバッテリーコーチ、2軍監督を歴任。2000年から監督を務め01年にリーグ優勝。04年の近鉄消滅に伴い退団。08年から4年間日本ハムで指揮を執り09年にリーグ制覇。16年から楽天監督。18年6月に同監督を辞任した。178センチ、75キロ。右投げ右打ち。』
若くて元気ないプロ野球選手も元監督も掛かる厄介な新型肺炎です。
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