全国的に新型コロナウイルスの感染者が増え、”第3波”とも言われる状況になりつつあります。自分や身近な人が感染したかもしれない時、どうしたらよいのか、いざという時に困らないためにも詳しく説明します。
東京で2日連続300人超 急速な感染拡大に専門家が強い警戒感
東京の感染者数
11月12日、東京では新たに393人の感染が確認され、400人に迫る数字となっています。 11日は317人と、2日連続で300人を超えました。 12日に開かれた東京都の専門家による感染状況を分析するモニタリング会議では、 「急速な感染拡大の始まりととらえている。今後の深刻な状況を厳重に警戒する必要がある」 「経済活動が活発化していて、人の往来、あるいは活動が増えている。そのまま何も対策をしなければ、感染のリスクが高まる機会が増加するということになる」と、急速な感染拡大の始まりにあるとして、強い警戒感が示されました。 警戒レベルは4段階のうち、上から2番目を維持しました。
東京都の主なモニタリング項目
11月11日までの1週間平均でみると、新規陽性者数は244.3人と大幅に増加し、感染路不明者数も137.4人と前の週から大幅に増加しています。また、入院患者数は1076人と横ばいですが、重症者数は38人と、前の週の35人から増減しながら推移している状況です。専門家は「新規感染者のうち、重症化リスクの高い高齢者の数が増加していて、医療機関への負担が長期化している」と指摘しました。
新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行への備え
11日の全国の感染者数
11月11日は全国で新たに1547人の感染が確認されました。 過去最多は、いわゆる“第2波“のピークだった8月7日の1604人ですが、これに迫る人数となりました。 1日あたりの新規感染者数が過去最多となったところも多くあります。感染者が急増していた北海道は11日は197人でしたが、12日は札幌市だけで過去最多の164人と、8日連続で100人を超えています。ここ数日、全国で感染者数が増え続けています。
日本医師会「“第3波”と考えてもいいのでは」
日本医師会は、この状況について「“第3波”と考えてもいいのでは」という認識を示し、「感染者の急増が続けば、医療提供体制が全国でひっ迫する」と警鐘を鳴らしました。 11月12日の厚生労働省の発表によると、 新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行した時、発熱する患者が増えることから、流行ピーク時の新型コロナとインフルエンザの検査の需要は合わせて1日あたり46万件にのぼると推定されています。これに対し厚労省は、54万件程度の検査能力の確保を目指すとしています。新型コロナとインフルエンザは症状が似ていて診断が難しいことから、東京都の検査手順では、熱などの症状がある場合は、まずインフルエンザの検査を行い、その後、新型コロナの検査を行うことになっています。