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9月後半にコロナ第6波か。英政府機関が毒性強い“スーパー変異株”出現を警戒=高島康司. 英政府機関が致死率35%のコロナ「スーパー変異株」が出現する可能性を発表
ホーム◇毒性の強いスーパー変異株が出現する可能性
新型コロナウイルスの非常に危険な“スーパー変異株”が今後出現する可能性について解説したい。
イギリス政府に緊急時の助言を行う政府機関に「緊急事態科学者顧問会議(SAGE)」という組織がある。ここは尾身会長が座長を努める日本の「専門家会議」のような組織である。
最近この組織がイギリス政府に提出した警告が、イギリスのさまざまなメディアで話題になっている。
当初、この警告は公開されていなかったが、このたび文書の内容がイギリス政府のアーカイブで明らかになった。
◇新型コロナ変異株は致死率35%!?
この警告によると、これからも新型コロナウイルスの変異株の出現は後を絶たず、感染者の35%が死亡する「MERS」と同じくらい致命的なものになる可能性があるという。
ちなみに現在の新型コロナウイルスの致死率の世界平均は2.12%である。「MERS(中東呼吸器症候群)」は2012年に中東の一部の地域で感染が拡大したウイルスだが、死亡率は36%に達した。
将来、出現する可能性のある新たな新型コロナウイルスの変異株では、これは「現実的な可能性」になると警告している。
また、感染力と毒性の強い新たな変異株は、いまのイギリスのようにウイルスが広く蔓延している状況で発生する可能性が高く、それは現在のワクチンを回避できるような変化を起こす可能性があるとしている。
そして、このような危険な変異株の出現は、より厳しい制限やロックダウンの復活につながり、国に新たな大きな経済的打撃を与える可能性があるとも指摘している。
◇ワクチンに耐性を持つ可能性
この警告を提出した専門家によると、この変異株が、免疫耐性のある南アフリカ由来の「ベータ株」、より感染力の強いイギリス発の「アルファ株」、そしてインドで発生した「デルタ株」から形成されている場合、ワクチンに対して耐性を持つ可能性があるとしている。
イギリス議会の「コロナウイルスに関する議会グループ」の副議長であるフィリッパ・ウィットフォード博士は、関係者にこの憂慮すべき報告書に注意を払うよう促している。
この報告者は、本来ならばイギリス政府に衝撃を与えるはずの内容だが、議会休会中に大量の報告書の中にひっそりと紛れ込んでいたため、注目されることはなかったという。
◇2~3か月のサイクルで新しい変異株が日本を襲う
いま日本も世界も「デルタ株」の猛威で大変な状況にある。もしこの警告にあるように、致死率が35%もある強毒の変異株が近い将来に出現する可能性があるのであれば、それは我々の社会体制を根本から変化させてしまうほどの力があるだろう。
だとしたら、日本の状況はどうなのだろうか? 将来、そのような変異株が日本でも蔓延する可能性はあるのだろか?
もちろん、いまのところはなんともいえないだろうが、その可能性はあると見たほうがよいように思う。
日本で最初の新型コロナウイルスの感染者が確認された2020年1月から、2カ月から3カ月の波で蔓延を繰り返している。
それぞれのサイクルは、発生から2カ月程度で蔓延の波はピークアウトし、いったん下火になる。その後、1カ月程度でまた新たな波が始まるというサイクルだ。
そして重要なことは、それぞれのサイクルで蔓延するのは、異なった変異株であるという点だ。
これまでの蔓延の波は次のようになっている。波の始まりと終わりは確定しているわけではないので、おおよその目算だ。なお、第3波で「東京・埼玉株」が蔓延したとする認識は、「東京大学先端科学技術研究センター」の児玉龍彦名誉教授の分析にしたがった。
・第1波:2020年3月~2020年5月(初期武漢株)
・第2波:2020年6月~2020年9月(D614G 欧米型)
・第3波:2020年12月~2021年3月(東京・埼玉株)
・第4波;2021年4月~2021年6月(アルファ株)
・第5波:2021年7月~継続中(デルタ株)
このように、いまは第5波である。そして、蔓延の波を繰り返すごとに感染力は強まり、感染者数が激増している。
もしこのような波のパターンが今後も続くとすると、いまの第5波は8月中にピークアウトし、9月頃には終息すると思われる。そして一時的に新型コロナウイルスのパンデミックがようやく抑制できたように見える時期が少し続いた後、また新しい変異株による第6波が始まることになる。
◇第6波で猛威を振るうのはどんなウイルスか?
もしこのように展開するとしたのなら、今年の10月にも始まるかもしれない第6波の中心となる株はなんだろうか?
「デルタ株」の新型である「デルタプラス株」、またペルー由来で世界30カ国に拡散している「ラムダ株」かもしれない。
どうも新型コロナウイルスでは、このような蔓延の波が幾度となく繰り返される可能性が高い。
ワクチン接種などの拡大によって死亡率と重症化率は下落するかもしれないが、蔓延の波そのものが消滅することはまずないと考えたほうがよい。
ということでは、将来いずれかの時点で、イギリス政府の「緊急事態科学者顧問会議(SAGE)」が警告する、ワクチンの効果が低いため、致死率が35%もある毒性の強い変異株の蔓延が始まる可能性はある。
新型コロナウイルスのパンデミックは終わっていない。感染予防には細心の注意を払って生活すべきだろう。(2021年8月10日 まぐまぐニュース)