教育カウンセラーの独り言

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裁量労働制拡大に関して岸田内閣政策と経団連方針を比較

2022年06月09日 12時34分41秒 | 社会・経済

 

裁量労働制拡大に関して岸田内閣政策と経団連方針を比較

 
岸田内閣の労働政策として「規制改革推進に関する答申」(5月27日公表)および「経済財政運営と改革の基本方針2022」(6月7日閣議決定)と経団連「2022年度事業方針」(6月1日公表)における裁量労働制(拡大)をめぐる記載内容を比較。

経団連の事業方針「裁量労働制の対象拡大の早期実現等、労働時間と成果が比例しない働き手の能力発揮を可能とする労働時間法制の見直し」。閣議決定の骨太方針「裁量労働制を含めた労働時間制度の在り方について、裁量労働制の実態調査の結果やデジタル化による働き方の変化等を踏まえ、更なる検討」。

経団連・事業方針「裁量労働制の対象拡大」
経団連(一般社団法人 日本経済団体連合)は(2022年)6月1日に「サステイナブルな資本主義を実践する-2022年度事業方針-」を公表したが、そこに「裁量労働制の対象拡大の早期実現等、労働時間と成果が比例しない働き手の能力発揮を可能とする労働時間法制の見直しを目指す」と記載されている。

経団連は(今年度事業方針だけではなく、これまでも事業方針に記載されていたことだが)「裁量労働制の対象拡大の早期実現」と裁量労働制対象(適用)拡大を政府に求める方針を明確にしている。

また、経団連が(2022年)5月9日に公表した「当面の課題に関する考え方」には「働き手の健康確保を前提とした裁量労働制の対象拡大等、自律的・主体的な働き方に適した新しい労働時間制度の実現を目指す」と書かれている。

つまり、6月公表の事業方針には「裁量労働制の対象拡大」としかないが、5月公表の当面の課題に関する考え方には「働き手の健康確保を前提とした」が付け加えられている。むしろ、5月公表の考え方には「働き手の健康確保を前提とした」とあったが、6月公表の方針には削除されている。

規制改革推進会議・規制改革推進に関する答申
内閣総理大臣諮問機関・規制改革推進会議の第13回会議が(2022年)5月27日)にオンライン開催されたが、議題は「規制改革推進に関する答申(案)について」。そして、規制改革推進会議開催後、「規制改革推進に関する答申」が内閣府サイトで公表された。

内閣府サイトで公表された「規制改革推進に関する答申」には「3.人への投資」「(3)柔軟な働き方の実現に向けた各種制度の活用・見直し」の中に「ア 労働時間制度(特に裁量労働制)の見直し」という項目がある。

その項目の中に「裁量労働制については、(厚生労働省「これからの労働時間制度に関する検討会」において)健康・福祉確保措置や労使コミュニケーションの在り方等を含めた検討を行うとともに、労働者の柔軟な働き方や健康確保の観点を含め、裁量労働制を含む労働時間制度全体が制度の趣旨に沿って労使双方にとって有益な制度となるよう十分留意して検討を進める」と記載されている。

つまり、裁量労働制に関しては経団連方針のように「対象(適用)拡大」といった言葉はないが(もちろん否定もされていない)、「健康・福祉確保措置や労使コミュニケーションの在り方等を含めた検討を行う」と政府(厚生労働省)の実施事項として書かれている。

規制改革推進に関する答申と経団連方針との比較
「規制改革推進に関する答申」と経団連「当面の課題に関する考え方」とに記載された裁量労働制に関する記述を比較すると、「規制改革推進に関する答申」には「対象拡大」とは書かれていないが、経団連「当面の課題に関する考え方」(および2022年度事業方針)には「対象拡大」と書かれている。

また、「規制改革推進に関する答申」には「健康・福祉確保措置」とあるが、経団連「当面の課題に関する考え方」には「健康確保」とあり、経団連2022年事業方針には「健康確保」といったことにはふれていない。

さらに「規制改革推進に関する答申」には「労使コミュニケーションの在り方」とあるが、経団連「当面の課題に関する考え方」に経団連「2022年事業方針」にも「労使コミュニケーションの在り方」などといった表現は見受けられない。

裁量労働制に関する労使コミュニケーション問題
厚生労働省が公開している「これからの労働時間制度に関する検討会」の資料や議事録(ヒアリングに関しては会社や労働組合の名称を公表しないで非公開で行われたため「議事概要」)を読むと、裁量労働制に関して「健康・福祉確保措置」とともに「労使コミュニケーションの在り方」が問題にされている。

「これからの労働時間制度に関する検討会」の議論が始まる前から、裁量労働制の長時間勤務や不規則勤務による健康被害が指摘されていたため、厚生労働省も裁量労働制見直しにおいては健康確保措置について何らかの配慮する規定が必要と考えていたようだ。

しかし、労使コミュニケーションについては厚生労働省も「これからの労働時間制度に関する検討会」の議論が始まる前は特に問題とは思っていなかったようだが、「これからの労働時間制度に関する検討会」が実施したヒアリングや議論の中で提起された問題。

裁量労働制では「労使委員会」が重要な働きをするが、検討会では労使委員会のことも知らない社員・職員(裁量労働制適用者)がいることが明らかにされたが、裁量労働制で最も重要な「労使委員会」が機能していない。

そして、対象者からの「同意」も適切に得られているかどうか、などといった問題が、裁量労働制に関する労使コミュニケーション問題になるであろう。

「経済財政運営と改革の基本方針2022」閣議決定

「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)が経済財政諮問会議での答申を経て、昨日(2022年年6月7日)閣議決定された。

この「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太方針2022)には裁量労働制に関する記載は詳しくされてないが、「裁量労働制を含めた労働時間制度の在り方について、裁量労働制の実態調査の結果やデジタル化による働き方の変化等を踏まえ、更なる検討を進める」とだけ書かれている。

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裁量労働制(拡大)をめぐり岸田内閣労働政策と経団連2022年度事業方針を比較|佐伯博正|note

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黒田東彦総裁が、共同通信主催「きさらぎ会」講演において発言した「家計の値上げ許容度も高まってきている」部分を撤回すると、講演全体の文脈はどうなるのか。

2022年06月09日 11時53分56秒 | 国際・政治

 

黒田東彦総裁が、共同通信主催「きさらぎ会」講演において発言した「家計の値上げ許容度も高まってきている」部分を撤回すると、講演全体の文脈はどうなるのか。「金融緩和継続」を撤回すべきではないのか。

 
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
黒田東彦総裁が、共同通信主催「きさらぎ会」講演において発言した「家計の値上げ許容度も高まってきている」部分を撤回すると、講演全体の文脈はどうなるのか。「金融緩和継続」を撤回すべきではないのか。』より、転載させて頂きました。

◆〔特別情報1〕
 日本銀行の黒田東彦総裁が8日、「家計の値上げ許容度も高まってきている」とした自身の発言について、「表現は全く適切でなかった。撤回する」と述べ、「家計が苦渋の選択として値上げをやむを得ず受け入れているということは十分認識している」と強調したという。
 黒田東彦総裁が、共同通信主催「きさらぎ会」での講演において発言した「家計の値上げ許容度も高まってきている」部分を撤回すると、全体の文脈はどうなるのか。それこそ注目である。
 黒田の講演については、日銀が全文を掲載しており、それによると4つの項目のなかの結論に入る手前、「起承転結」でいうならば「転」の部分で述べている。つまり、「揺るぎない姿勢で金融緩和を継続していく」という結論に導くための、強調すべき「理由や根拠」として、いわば講演全体の「ヤマ場」で発言したのであった。となると、そこを撤回するとなれば、自ずと「揺るぎない姿勢で金融緩和を継続していく」という方針の結論は撤回しなくていいのか?となる。もはや、方針そのものを撤回し、見直すべきときがきているのではないか。
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jlj0011のblog 「サメの脳みそ」健在<本澤二郎の「日本の風景」(4469)

2022年06月09日 11時40分00秒 | 国際・政治

jlj0011のblog


「サメの脳みそ」健在<本澤二郎の「日本の風景」(4469)
2022/06/09 08:440
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「サメの脳みそ」健在<本澤二郎の「日本の風景」(4469)

<「ホントのこと言うと、よくしかられる」と今もぼやく森喜朗>より、転載させて頂きました。

 清和会OBは、森喜朗という清和会元首相を呼ぶとき、失礼ながら必ず「サメの脳みそ」という。永田町の隠語なのか、昔からだからそれなりの理由があろう。早稲田の先輩の竹下登も、後輩の運動部無試験派を同じように揶揄していた。


 彼の実力が発揮されるのは、仲間の石原慎太郎が都知事になり、安倍晋三が首相になった場面である。今もフクシマ311放射能隠しの4兆円五輪賭博のツケが、国民・都民に支払わせている。

 女性差別発言で東京五輪の責任者を外されたが、このことについて最近、自民党議員の集金パーティーで再び発言した。「ホントのことを言ったまで。何が悪いのか」と開き直った。永田町という日本政治のメッカは、怨念や嫉妬が渦巻いている。真面目な人間は生きられない世界だ。その典型が日本会議・神道派が群れる清和会であろう。カネ・利権が圧倒するような派閥だ。およそ政策勉強をする派閥ではない。


 ワシントンにぶら下がり、日本国民の血税を「アメリカのポケット」にして恥じない、改憲軍拡派の典型的な派閥といえる。およそ国民に目を向けるリベラルな憲法感覚は皆無だ。その対極が宏池会、さらには政党レベルでは日本共産党だが、最近の同党は原則・根本を忘れて、右傾化の波に乗ってしまってぱっとしない。森喜朗のような人物でさえも、健在?でいられる理由といえるかもしれない。


<天皇中心の神の国の「何が悪いのか」とぶつぶつ>

 森を日本国民とアジア諸国民、それに国連の人たちは、筆者を含めて、それでも心底感謝せねばならないのではないか、と思う。彼はホントのことを公言してくれたのだ。2000年の首相在任中だから、首相として本心を明かした勇気を誉めたい?

 多くの国民は、自民党内に戦前の国家神道の流れをくむ政治連盟が存在してるという事実を知らない。たったひとり20年も現役の政治記者として、官邸と自民党にぶら下がって生きてきた凡人ジャーナリストも、この事実をほとんど理解していなかった。


 そのはずで、自民党名門派閥の宏池会を率いたこともある大平正芳の秘蔵っ子・加藤紘一でさえも、戦争神社で知られる靖国神社の歴史館・遊就館を見学するまで気付かなかった。同館の展示資料は、侵略戦争を否定する文字通り、皇国史観で彩られている。彼は腰を抜かした。正に森喜朗のいう「天皇中心の神の国」の資料で埋め尽くされていたのだから。

 「天皇中心の神の国」が存在している?ありえない!あってはならない。だが、清和会の極右・神社神道派の脳みそには、この神がかりの、戦前の皇国日本が宿り、潜んでいたのである。世界に衝撃を与えた。赤紙一枚で300万人の若者の命を奪ったヒロヒトの世界が、清和会の森・小泉・安倍の頭脳にこびりついていたのだ。

 加藤紘一が森打倒に走った理由である。加藤こそが日本の勇敢な英雄だった。加藤の乱を阻止したのが、中曽根康弘や小泉などの森・安倍一族だった。歴史は逆転する。いまの日本政治が、そのことを教えている。


森は今も「何が悪いのか」とほざいている。仏教界・キリスト教社会・イスラム世界との敵対関係が見て取れるだろう。戦争神社が再び?日本の不安材料だ。


<原始宗教「神社神道は男尊女卑」の信仰者だから気付かない?>

 森の女性差別は、神社神道の教えと関係している。井上清教授の言う「原始宗教の毛の生えた神道」は、男の宗教である。女性を汚らわしいと考えている男尊女卑のカルト教団なのだろう。


 安倍や森などの神道信者は、それを当たり前と考えている。気付くわけもない。憲法の人権主義・平等原則などは理解できない信仰者といえる。


<森喜朗は日本工業新聞出身とは口が裂けても言わない>

 以前、森をよく知る人物がいた。彼は日本記者クラブの仲間だった。産経新聞と同系列の日本工業新聞のOBだった。「森は産経新聞ではなく、日本工業新聞の人間」と彼の所在を明かしてくれた。ここにも差別主義が潜んでいるとの指摘に頷いてしまった。こうした手合いは、永田町に沢山いる。


<反知性・反道徳派=改憲軍拡好戦派=戦争神社崇拝派>

 友人らの清和会関係者に対する評価は手厳しい。反知性・反道徳派で、ひたすら憲法破壊派。そして盲目的な神社参拝派ということになる。日本の沈没を裏付けていないだろうか。

2022年6月9日記(東芝製品・サントリー不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

(追記)昨日お店でくず餅を買った。生まれて二度目だ。子供のころ、風邪をひくと母がくず湯を作ってくれた。数年前、北京でもくず粉を買って、久しぶりにくず湯を飲んで感動した。大地には、すごい食材がある。人間にも善良な人間がいる。永田町や霞が関に少ない。不思議なことである。


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