日韓合意ができたおかげで日本と韓国が対北朝鮮に対する制裁強化で迅速に共同歩調が取れた。
安倍首相はこう国会で繰り返しているらしい。
それが日韓合意の成果を強調するための方便ならまだわかる。
しかし、本気でそう思っているなら、これほどおめでたい事はない。
北朝鮮の水爆実験発表の直後には、すぐにでも対北朝鮮に対する制裁強化の国連決議がまとまるような騒ぎだった。
しかし、いまだに安保理決議はまとまらず、北朝鮮の核脅威などどこかに忘れ去られたごとくだ。
なぜか。
そもそも北朝鮮の脅威などないのだ。
挑発に乗って騒いだ方が愚かなのだ。
そしてそのような挑発に制裁強化で対応したところで、何の解決策にもならないことはこれまでが証明している。
だからこそ物事の分かっている中国が北朝鮮に対する制裁強化に慎重なのだ。
その中国に、北朝鮮については米国も頼らざるを得ない。
そしてケリー国務長官が訪中して中国に要請したけれど、それでも米中の立場は一致しない。
おまけにロシアまでが制裁強化に反対し出した。
そんな中で、対米従属の日本と韓国が対北朝鮮制裁強化で一致したところで何になるというのか。
安倍首相が関係改善を行うべきは中国である。
韓国との関係を改善したところで中国との関係改善はおぼつかない。
中国との関係改善が出来なければ、みせかけの日韓関係改善もいつどうなるかわからない。
その中国といつまでたっても関係改善の出来ない安倍首相。
中国は韓国のように米国の圧力で日本との関係改善をする国ではない。
安倍首相は自分の力で習近平主席との関係改善を図るしかない。
安倍首相ではそれは無理だ(了)