ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

オール・デイ・ロング

2024-03-12 21:09:41 | ジャズ(ハードバップ)

本日はプレスティッジ・オールスターズの作品をご紹介します。プレスティッジ・オールスターズと言っても特に実体があるわけではなく、同レーベルに所属するジャズメン達が作品ごとに集まってジャムセッション形式で録音を行うスタイルです。本作「オール・デイ・ロング」のメンバーはドナルド・バード(トランペット)、フランク・フォスター(テナー)、ケニー・バレル(ギター)、トミー・フラナガン(ピアノ)、ダグ・ワトキンス(ベース)、アート・テイラー(ドラム)から成るセクステットです。録音年月日は1957年1月4日。実はその1週間前の1956年12月28日にも「オール・ナイト・ロング」という作品が収録されており、本作はその続編のようなものです。バード、バレル、ワトキンス、テイラーは「オール・ナイト・ロング」セッションにも参加しており、マル・ウォルドロンの代わりにフラナガン、ハンク・モブレーの代わりにフォスターが加わったのが本作です。

ボーナストラック含めて全5曲。全てメンバーのオリジナルで、各自が自作曲を持ち寄ったと書けば聞こえが良いですか、実際は事前のリハーサルも特にせず、ほぼ即興のような形でブルースやバップを演奏したというのが実態でしょう(本作に限らずプレスティッジ・オールスターズの作品は大体そうです)。なので、これぞ名曲!というようなものは正直ありません。ただ、若き日のバード、フォスター、バレル、フラナガンらのプレイが存分に聴けるとあってはハードバップ好きならスルーするわけにはいきません。とりわけ、普段はカウント・ベイシー楽団で短いソロしか取らないフォスターのソロをじっくり堪能できるのは嬉しい限りです。

1曲目はタイトル曲であるバレル作のスローブルース"All Day Long"。18分を超える長尺だけあて、各自のソロをたっぷり味わえますが、さすがに長過ぎかも。2曲目”Slim Jim”と3曲目”Say Listen”はバード作の典型的バップ・ナンバー。前者はチャーリー・パーカーの”Barbados”によく似ています。4曲目”A.T.”と5曲目”C.P.W.”はフォスター作。”A.T.”はもちろんアート・テイラーの頭文字で、文字通りテイラーのドラムが大活躍します。C.P.W.は何の頭文字かわかりません。なお、翌1958年には「オール・モーニン・ロング」という作品もプレスティッジから発表されますが、そちらはレッド・ガーランドがリーダーでコルトレーンとドナルド・バードが参加しています。そちらについてはまた機会があればご紹介します。

 

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