村上春樹は僕の大好きな作家だ。
僕が大学生の頃、ちょうど「ノルウェイの森」が発表された。
読んでいる友達がいたが僕は読まなかった。
社会人になってから、多くの作品を読破した。
エッセイで村上春樹本人の趣味や生活について書かれたことはあっても、
自分自身について語られることは少なかった。
この「走ることについて語るときに僕の語ること」は、
村上春樹の事実上の自伝と言ってもいい。
いかにして作家となったか、その時の状況まできちんと綴られている。
作品の背景を知ることにもなるし、ファンにとっては実に興味深い。
昔の文章の前後に加筆された章もある。
今まで意識していなかったけど、文体がこんなに変わっているのか、
と改めて気付く。
それは「走る」という行為が挑戦的だった時期、
体力でピークを過ぎたかと考え始める時期とも呼応している。
ひとつのことを長くやり続けることは、たいへんな努力がいる。
でもそれができている人は、そこに楽しさを見い出している。
走る為の指南書ではないが、この本にはそうした楽しさ、
でも一方で苦しさも表現されている。
その過程を経て「風の歌を聴け」から始まって
「ノルウェイの森」や「海辺のカフカ」が産み出されたのだ、
と思うと、一人の作家の成長を僕らは長い間見守ってきたのかな、
と図々しくも思ってしまうのだった。
作家として、よい作品を発表し続けながら走り続けている村上春樹を
これからも僕は援し続けるつもりだ。
僕が大学生の頃、ちょうど「ノルウェイの森」が発表された。
読んでいる友達がいたが僕は読まなかった。
社会人になってから、多くの作品を読破した。
エッセイで村上春樹本人の趣味や生活について書かれたことはあっても、
自分自身について語られることは少なかった。
この「走ることについて語るときに僕の語ること」は、
村上春樹の事実上の自伝と言ってもいい。
いかにして作家となったか、その時の状況まできちんと綴られている。
作品の背景を知ることにもなるし、ファンにとっては実に興味深い。
昔の文章の前後に加筆された章もある。
今まで意識していなかったけど、文体がこんなに変わっているのか、
と改めて気付く。
それは「走る」という行為が挑戦的だった時期、
体力でピークを過ぎたかと考え始める時期とも呼応している。
ひとつのことを長くやり続けることは、たいへんな努力がいる。
でもそれができている人は、そこに楽しさを見い出している。
走る為の指南書ではないが、この本にはそうした楽しさ、
でも一方で苦しさも表現されている。
その過程を経て「風の歌を聴け」から始まって
「ノルウェイの森」や「海辺のカフカ」が産み出されたのだ、
と思うと、一人の作家の成長を僕らは長い間見守ってきたのかな、
と図々しくも思ってしまうのだった。
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作家として、よい作品を発表し続けながら走り続けている村上春樹を
これからも僕は援し続けるつもりだ。