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「フットルース」の第4回(第1回・第2回・第3回)。今回はボニー・タイラー。
■Holding Out For The Hero/Bonnie Tyler
from「フットルース/Footloose」(1984年・米)
ボニー・タイラーといえば”女ロッド・スチュワート”という表現がやたらとつきまとう。確かにハスキーな女性ヴォーカリストではあるが、初期はロック色はさほど強くなかった。80年代に彼女が成功したのは、孤高の名プロデューサー、ジム・スタインマンとの出会いによるものであろう。アルバム Faster Than The Speed Of The Light は、スタインマンの手による収録曲の数々が実にクオリティが高い。その中から大ヒットとなった Total Eclipse Of The Heart(愛の翳り) はドラマティックなバラードで、コーラスをまるで楽器の一つとして扱うスタインマンのアプローチが実に見事。かくいう僕も、この曲との出会いによってスタインマンの大ファンとなった。

Bonnie Tyler - Total Eclipse of the Heart
ボニー・タイラーはその後もスタインマンのプロデュースでアルバムを製作、また Making Love Out Of Nothing At All(渚の誓い) を始め、他のアーティストにスタインマンが提供した曲を歌い継ぐこととなる。
そんなスタインマン作品でもあり、80年代のボニー・タイラーを代表するヒット曲が、この Holding Out For The Hero(ヒーロー) である。映画「フットルース」では主人公が不良たちとチキンレースをする場面に使われて、強い印象を残す。デジタルビートにシモンズのタムが重なり、スタインマン作品には欠かせない力強いピアノがそのリズムの上で弦を唸らせる。さらにぶ厚いコーラスワークが加わり、いかにも”らしい”アレンジである。
しかし日本では「フットルース」の収録曲としてよりも、ドラマ「スクールウォーズ」の主題歌として朝倉未希がカヴァーしたことでお馴染みであろう。この曲を聴くと山下真司の顔とラグビー場面を思い出す方も多いと思う。2004年にその映画化「スクールウォーズ HERO」が製作されたが、ここでももちろんこの曲は使われている。こちらは大黒麻季がパワフルに歌う。
ところでこの曲は「フットルース」公開当時に全米トップ10ヒットとなったのだけど、86年に全英チャートで2位の大ヒットとなっている。これはイギリスのテレビ番組でこの曲が使われた為で、アメリカン・フットボール番組のテーマ曲だったとか。なんか日本人にはうなずける話だが(笑)。
実はこの曲には元ネタがある。ジム・スタインマンの唯一のソロアルバム Bad For Good の一曲 Stark Raving Love がそれだ。イントロに全く同じピアノのリフが流れる。この焼き直しが Holding Out For The Hero だったのだ。このアルバムはミートローフのアルバムとして製作される予定だったのが、彼との決別によってソロアルバムとして発表されたものである。その後90年代に再びミートローフとタッグを組んだ為、収録曲の多くが広く世に知られることとなったのだった。興味ある方は是非お聴きを。
名盤です。
Bonnie Tyler - Holding Out For A Hero (Official HD Video)
※Bonnie Tylerの歌が流れる80年代の主な映画
1984年・「フットルース」 = Holding Out For The Hero
1984年・「メトロポリス」 = Here She Comes
1986年・「処刑ライダー」 = Matter Of The Heart
1988年・「ショート・サーキット2 がんばれジョニー5」 = Holding Out For The Hero