「キル・ビル」のルーツを探せ!(その32)★鬼警部アイアンサイドの音楽が使われている訳
■「キング・ボクサー 大逆転/天下第一拳(Five Fingers Of Death)」(1972年・香港)
監督=チェン・チャンホー
主演=ロー・リエ ワン・ティエン・フェン ワン・ピン ナン・クン・スン
クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビル」で、テレビ番組「鬼警部アイアンサイド」のテーマ曲が使われていた。ユマ・サーマンが怒ると、ピーポーピーポーってサイレン音がしてお馴染みのホーンのフレーズ(日本ではニュース番組でもお馴染みのフレーズ)が流れる。これは功夫映画「キング・ボクサー/大逆転」で無断使用されたのをタランティーノがその劇中の使い方を気に入って「キル・ビル」に取り入れたもの。もちろん、今度は無断使用ではない。
田舎の道場で武術を学ぶ主人公は、都の別な道場で学び、国術大会に出場することを師匠に勧められる。折しも彼が入る尚武国術館と百勝武館は、近く行われる国術大会をめぐって対立していた。やがて師匠に腕を見込まれた主人公は、秘術の鉄拳を伝授されることになる。物語は道場の対立だけでなく、同じ門下生同士の対立、主人公が助けた女芸人、故郷に残してきた師匠の娘・・・様々な要素が入り交じり息つく間もない。単なる活劇に終わらないとてもよくできたシナリオだ。師匠の娘は幸せな再会を夢見る夢子チャン、一方で女芸人の片思いはとても切なく描かれる。
主人公が会得した鉄拳は、戦うときに手のひらが赤く染まる。この赤いライトを当てるだけのいたってシンプルな演出だが、これが観ていてこっちまで拳に力が入る。主人公を演ずるロー・リエは、ショウブラザースで悪役もこなしたカンフースタア。どことなく森田健作を思わせる。
この映画でも悪役に日本人空手家が登場する。その悪役に「まだ中国人を殺したいのか!」と主人公は言う。この映画製作された当時はまだ国交回復されていない。これも国民感情なのかな、と思った。
■「キング・ボクサー 大逆転/天下第一拳(Five Fingers Of Death)」(1972年・香港)
監督=チェン・チャンホー
主演=ロー・リエ ワン・ティエン・フェン ワン・ピン ナン・クン・スン
クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビル」で、テレビ番組「鬼警部アイアンサイド」のテーマ曲が使われていた。ユマ・サーマンが怒ると、ピーポーピーポーってサイレン音がしてお馴染みのホーンのフレーズ(日本ではニュース番組でもお馴染みのフレーズ)が流れる。これは功夫映画「キング・ボクサー/大逆転」で無断使用されたのをタランティーノがその劇中の使い方を気に入って「キル・ビル」に取り入れたもの。もちろん、今度は無断使用ではない。
田舎の道場で武術を学ぶ主人公は、都の別な道場で学び、国術大会に出場することを師匠に勧められる。折しも彼が入る尚武国術館と百勝武館は、近く行われる国術大会をめぐって対立していた。やがて師匠に腕を見込まれた主人公は、秘術の鉄拳を伝授されることになる。物語は道場の対立だけでなく、同じ門下生同士の対立、主人公が助けた女芸人、故郷に残してきた師匠の娘・・・様々な要素が入り交じり息つく間もない。単なる活劇に終わらないとてもよくできたシナリオだ。師匠の娘は幸せな再会を夢見る夢子チャン、一方で女芸人の片思いはとても切なく描かれる。
主人公が会得した鉄拳は、戦うときに手のひらが赤く染まる。この赤いライトを当てるだけのいたってシンプルな演出だが、これが観ていてこっちまで拳に力が入る。主人公を演ずるロー・リエは、ショウブラザースで悪役もこなしたカンフースタア。どことなく森田健作を思わせる。
この映画でも悪役に日本人空手家が登場する。その悪役に「まだ中国人を殺したいのか!」と主人公は言う。この映画製作された当時はまだ国交回復されていない。これも国民感情なのかな、と思った。