■「レディ・プレイヤー1/Ready Player 1」(2018年・アメリカ)
監督=スティーブン・スピルバーグ
主演=タイ・シェリダン オリヴィア・クック ベン・メンデルソーン サイモン・ペッグ
スピルバーグ監督が、VRをネタに遊びまくったド派手なエンターテイメント作品
「レディ・プレーヤー1」を試写会で鑑賞。
ゲームやサブカルチャーをてんこ盛りにして若い客層に媚びたのだ・・・という邪推もできるのだけど、
「いやいや、オレにだってこんな映画撮れるんだよ」
というスピルバーグの余裕(ってか自慢?)だと僕には感じられた。
数々のアニメやゲームの引用は確かに楽しい。
メカゴジラ機竜やらRX78-2、「AKIRA」のバイク・・・ニッポン万歳WW
ただね。多くの人が楽しむVRゲームの中で起こった事件が
リアルを巻き込んだ騒動に発展する事情にどうも現実味がない。
似たような設定なら
生活の管理までコンピュータに頼った社会とその危うさを描いていた
「サマーウォーズ」の方がよっぽど説得力がある。
都合の良い展開も確かにあるしツッコミどころも満載。
だけどね、この映画には僕らを日々楽しませてくれるエンターテイメントへの愛と、
そんなエンタメを心の支えに毎日を不器用に生きている僕らへのメッセージがある。
ただのCG満載のお気楽映画にはしないからスピルバーグはやっぱりうまい。
映画ファンに向けてのお楽しみもある。
特にスタンリー・キューブリック監督作「シャイニング」の再現シーンの見事なこと!
デロリアンやマイケル・ジャクソンなど80年代カルチャーも楽しすぎる。
ジョン・ヒューズ監督作の名前が並ぶ粋な台詞、
そしてヴァン・ヘイレンで始まってツイステッド・シスター、
ホール&オーツで終わるサントラがもうたまらん♪
ここに盛り込まれた映画たちのルーツを
若い映画ファンが触れていくことにつながったら嬉しいな。
『レディ・プレイヤー1』日本版予告 (2018年)