■「ベルサイユのばら/Lady Oscar」(1979年・日本=フランス)
監督=ジャック・ドゥミ
主演=カトリオーナ・マッコール バリー・ストークス クリスティーナ・ボーム
TSUTAYAの発掘良品で実写版「ベルサイユのばら」を観た。
1979年に日本が10億円の製作費で、オール外国人スタッフ、ベルサイユ宮殿ロケを敢行。
しかも「シェルブールの雨傘」のジャック・ドゥミ監督、製作アニエス・ヴァルダ、
音楽はミシェル・ルグランと超一流。
当時中坊だった僕も、なーんとなく世間で話題になっていた映画として記憶していた。
池田理代子の原作はかじった程度の僕なので、素直にひとつの映画として観られたかも。
オスカルが男子として育てられることになる冒頭の語り口は説明くさくなく、実にスマートで好印象。
しかし、ストーリーが進むに連れて、駆け足気味で情感や深みが乏しくなっていく感は否めない。
ドゥミ監督の過去の名作たちを念頭に置くと、ちと残念な印象。
原作と違う!と不評を買ったらしいクライマックス。
革命当日のベルサイユの様子をワンカットで見せ、
バスチーユ襲撃成功の歓喜の中で主人公だけが絶望している対比の切なさ。
それはそれで巧いなぁと思うのだけど、
観る側が映画に求めてるものが何かで印象はガラッと変わってしまうのだな。
オスカルを演じたカトリオーナ・マッコールがとにかくお綺麗。
軍服姿の凛々しさはもちろん、
女性の自分を鏡に映す場面、
フェルゼンに近づくためにドレスを着て舞踏会に行く場面のハッとする美しさ。
脇役に「ラ・ブーム2」のランベール・ウィルソン。
子供の頃のオスカルを演じたのは、後にエイスワンダーのボーカルとして活躍する、子役時代のパッツィ・ケンジット。
ベルサイユのばら PV