◾️「黒執事」(2013年・日本)
監督=大谷健太郎 さとうけいいち
主演=水嶋ヒロ 剛力彩芽 優香 山本美月
原作は未読なので、ファンにとってどれだけ改悪になってるのかはわからない。特に剛力彩芽が出演すると設定やキャラクターがひん曲げられるのはよくあることなので、本作もきっとファンには不評なんだろう。
水嶋ヒロが楽しそうに演ずる不気味なキャラクター、独特な世界観、「マトリックス」を思わせるアクション場面はそれなりに面白いとは思った。でもそれらはどこか物足りなさがある。例えば、密室でのアクションを華麗にこなして、何事もなかったかのように殺された男たちが座っている。スタイリッシュだな、と思ったけどその美しい後始末を誰も見つけない。山本美月がメイド姿で演じるアクションも素敵な要素なのに、それまでのドジっ子メイドからの変貌がメガネ外すだけ。実はウィッグで本当の姿隠してました、とか見た目から変貌を遂げればもっと盛り上がったろうに。クライマックスにしても、大舞台を用意しながらも小さくまとまって、ちょっと残念。岸谷五朗の存在なんかよく分からないし、優香の入浴シーン短いし(こら)。
公開当時、この映画のメイキングがテレビで放送されていた。地方のフィルムコミッションがどんな撮影支援をやっているのか、ロケ地はどう選ばれたのか。生息地であるひいき目もあるけど、その様子はとても面白かった。オレは徹夜で撮影に付き合えねえよなと思ったけれど、映画の現場を支える人々の思いとアイディアが形になっていくプロセスはとても面白かった。CGで増築されたJR小倉駅、今は閉園したスペースワールドなどが登場。
エンドロールで流れる主題歌Through the agesを歌うのはガブリエル・アプリン。重厚感のある好みのバラードだなと思ったら、絢香の作詞作曲だったのか。納得。