Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ハリー・ポッターと賢者の石

2020-11-08 | 映画(は行)






◼️「ハリー・ポッターと賢者の石/Harry Potter And The Sorcerer's Stone」(2001年・アメリカ)

監督=クリス・コロンバス
主演=ダニエル・ラドクリフ エマ・ワトソン ルパート・グリント リチャード・ハリス

遅ればせながら、「ハリーポッター」にやっと向き合う気になった。お話は世界的ベストセラーだからしっかりしているだろうけど、「グーニーズ」のクリス・コロンバス監督か…子役頼み映画なんじゃないの?と、ひねくれた先入観。知識って時に行動の邪魔をするのです。観る前にふと気付いた。おっ、脚本はスティーブ・クローブスじゃねえか!大好きな大好きな「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」の監督。ヒット作を避けるのは昔からだけど、素直に観ておくべきだったのかな。

なるほどー。確かに喰わず嫌いだったかも。ストーリーがいいのは当然として、原作のイメージを損ねない少年少女たち、それに大人の鑑賞者にもアピールできる、リチャード・ハリス、マギー・スミス、アラン・リックマンらイギリス映画の大物たち。でもこの映画が長く愛されている理由って、観ている僕たちがこの物語に入ってみたい!と思えてしまう舞台装置、美術に手抜きがなく、世界観が作り込まれているからだ。原作に夢中になったからといって、ダイアゴン横丁や9と3/4番ホームやグリフィンドールのローブが目に見える訳ではない。原作ファンの期待を損なわないように映像化して示すことに成功し、魅力的な世界に仕上がっている。そこにはもちろん魔法をも映像化する現在の技術があってこそ。映画「アバター」の世界から戻りたくなくなる"アバター鬱"なる現象が話題になったことがあるけど、「ハリーポッター」も同様に作り込まれて示される世界が、世知辛い現実を忘れさせてくれる魅力を持っているということだ。

でもねー、年間最優秀寮の表彰が納得いかず。校則をことごとく破ったハリーたちの活躍を学校側が容認しているのは、ちょっと都合がよすぎると思う。チヤホヤされすぎ。確かに少年の成長物語ではあるのだけれど、最初から能力的にデキる奴が主人公のお話は、努力して修行して勝利を勝ち取るような、僕らが期待する成長物語とはやはり違う(カンフー映画のせいだと誰か言ってください・笑)。ダメ男が頑張る「酔拳」が好きだけど、最初から優れたダイバーが主人公の「海猿」は嫌い、みたいなものかも。

そうは言っても「ハリーポッター」は面白い。それはやっぱり作り込みがしっかりした映画だから。物語を支える技術、スタッフ、シナリオ、演出、編集、そして何よりあの世界に心を連れ去ってくれるジョン・ウィリアムズの音楽があるから。とにかくあの世界に行ってみたくなる。その気持ちは、他人がやってるRPGゲームにしか見えなかった「ロード・オブ・ザ・リング」との大きな違い。僕にとってはね。

それにしても「賢者の石が狙われている」と言われて、複製人間マモーの顔が浮かぶオレは、変な育ち方をしているのだろうか。





コメント
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