◼️「太陽がいっぱい/Plein Soleil」(1966年・フランス=イタリア)
監督=ルネ・クレマン
主演=アラン・ドロン モーリス・ロネ マリー・ラフォレ
「太陽がいっぱい」を初めて観たのは、中学生の頃、テレビの映画番組だった。衝撃だった。それまで観てきたどんな映画とも違う。主人公トムは金持ちの友達フィリップから友達なのにやたらといびられる。こいつ、なんで一緒にいるんだろう。物語の途中でフィリップは姿を消し、トムが彼になりすまそうとする。そこから始まるスリル。衝撃のラストシーン。テーマ曲のメロディは哀愁そのもの。
フィリップの彼女マルジュに迫る場面の生々しさも忘れられない。トムがマルジュの手にキスをしながらまっすぐに彼女を見つめる眼差しの鋭さは強烈に心に残っている。女に迫るってこういうことなのか。
ひたすらフィリップのサインを真似して、同じ筆跡で書けるように練習する場面。あんな緊張感のある場面はなかなかない。文字を書くだけなのに、感じるのはとんでもないスリル。それは、その先にトムが企む目的が見えるからだ。ただの行為を見せるの映画じゃない。そこに台詞がないなんて。すごい。
船の上でフィリップがトムに殺される場面。派手な劇伴もないのにこんなに引き込まれる。でもこの場面で強烈に心に残ったのは、フィリップが死ぬ間際に叫ぶひと言。
「マルジューっ!」
彼女の名前を叫ぶのだ。命乞いでもなく、トムを憎む言葉でもない。僕は思った。
「オレは死ぬ時に愛してる女の名前を叫べるだろうか。」
考えすぎだ、少年w。
この映画を観た2時間で、ニキビ面の少年は男と女、男と男、野心とは何か、そして映画ってものの面白さを思い知った。
フィリップの彼女マルジュに迫る場面の生々しさも忘れられない。トムがマルジュの手にキスをしながらまっすぐに彼女を見つめる眼差しの鋭さは強烈に心に残っている。女に迫るってこういうことなのか。
ひたすらフィリップのサインを真似して、同じ筆跡で書けるように練習する場面。あんな緊張感のある場面はなかなかない。文字を書くだけなのに、感じるのはとんでもないスリル。それは、その先にトムが企む目的が見えるからだ。ただの行為を見せるの映画じゃない。そこに台詞がないなんて。すごい。
船の上でフィリップがトムに殺される場面。派手な劇伴もないのにこんなに引き込まれる。でもこの場面で強烈に心に残ったのは、フィリップが死ぬ間際に叫ぶひと言。
「マルジューっ!」
彼女の名前を叫ぶのだ。命乞いでもなく、トムを憎む言葉でもない。僕は思った。
「オレは死ぬ時に愛してる女の名前を叫べるだろうか。」
考えすぎだ、少年w。
この映画を観た2時間で、ニキビ面の少年は男と女、男と男、野心とは何か、そして映画ってものの面白さを思い知った。
映画『太陽がいっぱい』予告編