◼️「ブラックバード 家族が家族であるうちに/Blackbird」(2019年・アメリカ=イギリス)
監督=ロジャー・ミッシェル
主演=ケイト・ウィンスレット スーザン・サランドン ミア・ワシコウスカ サム・ニール
スーザン・サランドンという女優は、常に自由でカッコいい姉貴というイメージだった。「プリティベビー」のお母ちゃん、「ぼくの美しい人だから」「さよならゲーム」の恋する歳上の女、「テルマ&ルイーズ」のタフな美女。「エリザベスタウン」の葬儀スピーチも心に残っている。それが「ブラックバード」では、難病ALSで身体の自由が利かなくなり、安楽死を選ぶ母親役。決行しようとする前、最後に家族と過ごす二日間が描かれた映画だ。もうそんな年齢なの?と思ったがこの撮影時は70代。元気なうちに死を選ぶ役柄には納得できるタイミングの出演作。
安楽死をすると決めたリリーと夫ポールのもとに、二人の娘ジェニファーとアンナ、二人のパートナー、リリーの長年の友人リズが集まった。最後の時間を共に過ごすためだ。リリーの選択に反対するアンナ。久々に顔を合わせた姉ジェニファーとの確執。普段と変わらない家族との時間の後で、世を去ろうと思っていたリリーだったが、黙っていた事、認めて欲しかった事、伝えたい事、それぞれの思いが波のように家族の心に押し寄せては返す。舞台劇のような緊張感で、最後まで飽きさせない。
自分は何を家族に遺せるのかを追った「死ぬまでにしたい10のこと」、尊厳死に真正面からカメラを向けた「海を飛ぶ夢」を思い出させる。個人的にはそれでも生きていてほしいと思うけれども、この家族には、重大な選択をするからこそ見えてくる大切なことがあったんだと思う。死が近づいた時に何を思うのか。こうした作品を観た記憶が、気持ちに寄り添う助けになってくれるんじゃないかと思うのだ。
安楽死をすると決めたリリーと夫ポールのもとに、二人の娘ジェニファーとアンナ、二人のパートナー、リリーの長年の友人リズが集まった。最後の時間を共に過ごすためだ。リリーの選択に反対するアンナ。久々に顔を合わせた姉ジェニファーとの確執。普段と変わらない家族との時間の後で、世を去ろうと思っていたリリーだったが、黙っていた事、認めて欲しかった事、伝えたい事、それぞれの思いが波のように家族の心に押し寄せては返す。舞台劇のような緊張感で、最後まで飽きさせない。
自分は何を家族に遺せるのかを追った「死ぬまでにしたい10のこと」、尊厳死に真正面からカメラを向けた「海を飛ぶ夢」を思い出させる。個人的にはそれでも生きていてほしいと思うけれども、この家族には、重大な選択をするからこそ見えてくる大切なことがあったんだと思う。死が近づいた時に何を思うのか。こうした作品を観た記憶が、気持ちに寄り添う助けになってくれるんじゃないかと思うのだ。