【文中敬称略】
あっというまに、公演も半ばを迎えた。
サッカーU-22日本代表メンバーも決まり、『マーヴィンの部屋』千秋楽に香港戦が行われるわけだが、北京五輪の予選を兼ねたアジア男子サッカー2008(2次予選)では、なかなか点の取れない攻撃陣の出来に注目が集まるわけである
さて一方、松本祐子率いる「チーム・マーヴィン」は“観客の心のゴールネット”を連日ゆさぶり続けている。
やはり演出の「ゲームプラン」が明確で、かつ個々の俳優がその中で持ち味を出している結果だと思われる。
フル代表の監督・オシムが、今回の林彰洋[流通経大/GK19才]や、過去にも梅崎司[大分/MF当時19才、昨日が誕生日で20才]らを“飛び級”で召集したように、『マーヴィン』には初舞台の小野雅史、古賀浩、2年目の姶良勇一らが大抜擢されているわけだが、今回司令塔=ベッシーを務める吉野佳子[文学座]の華麗なパスに、アグレッシブに動いて、果敢にアタックする姿はアンケートなどからも評価が高い。
勿論、3人が自由にピッチを駆け回れるように、腰越夏水、岸並万里子らの中堅が下がり目のポジションで的確なボールさばきをしていることは大きい。岸並は後半(2幕)の冒頭、トリッキーなオーバーラップも見せる。
また能登剛は、右サイドのかなり上がり目の位置でプレスをかける。ゲーム序盤の吉野とのパス交換は、その日の芝居の行方を占う大事なシーンでもある。
縦横無尽という意味では、ベテラン・溝口順子が圧巻だ。脊髄を痛めて機械を体に付けている伯母=ルースを、楽しく演じながら、攻守の切り替えの要を担う。
最後にベッシーと二十年ぶりの再会を果たす妹・リー役=和泉れい子については、寄せられたアンケートの一編を紹介しておこう。
「リー役・和泉さん、吉野さんとのハーモニー良く、細身のタイツスタイルの母親像、リアルに感じた。ガラス窓の後方のマーヴィン氏、終幕まで気になる存在」[75才・グラフィクデザイナー]
おっと、マーヴィンについてまで引用してしまったが、ちょうどピッチの奥の真ん中にゴールポストが位置するように、舞台中央奥にある“マーヴィンの部屋”で、マーヴィンを演じる俳優Xが、まさにGKのごとく、試合を最後方から見つめながら仁王立ちの存在感でチームを引き締めていることを最後に添えて置こう。
あっというまに、公演も半ばを迎えた。
サッカーU-22日本代表メンバーも決まり、『マーヴィンの部屋』千秋楽に香港戦が行われるわけだが、北京五輪の予選を兼ねたアジア男子サッカー2008(2次予選)では、なかなか点の取れない攻撃陣の出来に注目が集まるわけである
さて一方、松本祐子率いる「チーム・マーヴィン」は“観客の心のゴールネット”を連日ゆさぶり続けている。
やはり演出の「ゲームプラン」が明確で、かつ個々の俳優がその中で持ち味を出している結果だと思われる。
フル代表の監督・オシムが、今回の林彰洋[流通経大/GK19才]や、過去にも梅崎司[大分/MF当時19才、昨日が誕生日で20才]らを“飛び級”で召集したように、『マーヴィン』には初舞台の小野雅史、古賀浩、2年目の姶良勇一らが大抜擢されているわけだが、今回司令塔=ベッシーを務める吉野佳子[文学座]の華麗なパスに、アグレッシブに動いて、果敢にアタックする姿はアンケートなどからも評価が高い。
勿論、3人が自由にピッチを駆け回れるように、腰越夏水、岸並万里子らの中堅が下がり目のポジションで的確なボールさばきをしていることは大きい。岸並は後半(2幕)の冒頭、トリッキーなオーバーラップも見せる。
また能登剛は、右サイドのかなり上がり目の位置でプレスをかける。ゲーム序盤の吉野とのパス交換は、その日の芝居の行方を占う大事なシーンでもある。
縦横無尽という意味では、ベテラン・溝口順子が圧巻だ。脊髄を痛めて機械を体に付けている伯母=ルースを、楽しく演じながら、攻守の切り替えの要を担う。
最後にベッシーと二十年ぶりの再会を果たす妹・リー役=和泉れい子については、寄せられたアンケートの一編を紹介しておこう。
「リー役・和泉さん、吉野さんとのハーモニー良く、細身のタイツスタイルの母親像、リアルに感じた。ガラス窓の後方のマーヴィン氏、終幕まで気になる存在」[75才・グラフィクデザイナー]
おっと、マーヴィンについてまで引用してしまったが、ちょうどピッチの奥の真ん中にゴールポストが位置するように、舞台中央奥にある“マーヴィンの部屋”で、マーヴィンを演じる俳優Xが、まさにGKのごとく、試合を最後方から見つめながら仁王立ちの存在感でチームを引き締めていることを最後に添えて置こう。