呆れた。
競争の激しい軽自動車業界にあって、三菱自動車が軽自動車で燃費偽装の不正を行っていた。
記者会見で同社幹部が明らかにした。会見の要旨を聞いていて、この社は企業の体質というか、"燃費の不正ぐらい"といったユーザー無視、監督官庁(国交省)軽視の姿勢が見えてきた。
三菱自動車は、またもや国交省を相手に燃費関連のデータ偽装とテスト方法の法令違反を意図的に犯していたわけだ。コンプライアンス違反というレベルではなく、企業として存続を問われる次元の問題に達しているといえる。
他のメーカーが燃費を29km/Lという車種を新発売する情報を得た場合、それより低燃費の29・2km/Lとするなど、決められた方法で燃費テストを行わず、適当な数値を公にし、ユーザーの購買意欲を掻き立てていた。
検査をする国交省にも責任がある。提出資料を検査だけで、走行試験などを行わず"OK"を出していたというのだ。怠慢というしかないだろう。
ガソリンが高騰を続けていた時代に、燃費、税金などで優遇され普通車から軽自動車に乗り換えた人も多かっただろう。
カタログデータが偽装されていても、それは大したことではないと社の幹部が考えていたのならば、ユーザー無視も甚だしい。
三菱グループの"大企業病"がそうさせたのだったら、これは非常に大変な事態だ。