知る人ぞ知る、大島弓子原作コミックの映画化です。
といいましても、これはほとんどエッセイ風のコミックなので、
一体どのように映画化するのだろうかと思っていたのですが、
なるほど、きちんとストーリーができていました。
単に、かわいい猫が出てくるだけではないので、男性の方も安心してご覧ください。
主人公はそのものずばり、大島弓子がモデルの漫画家、麻子(小泉今日子)。
アシスタントの筆頭がナオミ(上野樹里)。
麻子は、長年飼っていた愛猫サバの死で、気力をなくしていたのですが、
しばらくしてまた子猫を飼い始めます。
それが、グーグー。
ある日、いなくなってしまったグーグーをさがしていて、一人の青年と遭遇。
それが青自(加瀬亮)。
内気で繊細な麻子とやや飄々としたこの青年は、
ナオミの取り計らいによって、少しずつ接近していくのですが、
そんな時に麻子の卵巣がんが発覚して手術となる。
全体を通して、ものすごい事件が起こるというわけではありません。
一人ひとりが、それぞれの道を考えながら、一生懸命生きている。
生きるのはいやなこともつらいこともあるけど、
人々や猫の温もりに包まれながら、何とかやって行けば、
ちょっとはいいこともありそうだなあ・・・と、そんな気にさせられます。
この映画ではナオミの存在が光っていますが、上野樹里が好演しています。
無愛想だけど、良く人を見ている小林亜星もいいなあ。
なんと、梅津かずお氏まで登場。
まことちゃんもね。
大島弓子コミックも一部登場し、
大島ファンが見ても納得し、楽しめる作品だと思います。
しかし、私は最後の麻子とサバの対面シーンが余計だと思う・・・。
もともと、大島コミックの中で、サバは人間の姿で登場していたんですけどね。
あの、「綿の国星」のチビ猫と同じスタイル。
でも、このシーンのサバは、かわい過ぎ。
そこで延々と二人の対話となるのですが、
そのやり取りが、なんだかお尻がこそばゆくなりそうに、浮いた感じがする・・・。
「え~と、」なんてつぶやきながら、ポリポリ頭をかいてしまいたくなる。
つまり、気ハズカシイ・・・感じ?
本当なら涙を誘うシーンなのでしょうか???
私は入り込めませんでした。
もう少し、何とかならなかったんでしょうかね、ここ・・・。
物語の舞台は吉祥寺。なんだか興味を引かれる街ですね。お散歩してみたいです。
2008年/日本/116分
監督・脚本:犬堂一心
出演:小泉今日子、上野樹里、加瀬亮、大島美幸
「グーグーだって猫である」公式サイト