ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

どうやら豊作の予感だが、・・・

2015-08-20 09:00:21 | 農業

 どの田も穂が出て、田んぼの彩りも、黄緑から黄色へと移り変わりつつある。この辺りで、なぜか一番早く出穂した我が家の田んぼ、雀の食料基地化して、ところどころ色が変わっているものの、まずは例年にない実りを予感させる色づきだ。雀よけしないの?って神さんは言うが、まっ、雀も生きなきゃならないし、我が家で雀たちの面倒みてやれば、他の田んぼは安泰なわけだからと、鷹揚に自己犠牲気取ってみたりもしているが、要は雀追いが面倒なだけ。まっ、全部食われるってわけでもないから、・・・

 うるち米はコシヒカリとヒトメボレの2種、ここに来てコシヒカリの生育が断然リードだ。これまで見たこともない見事な実りに近づいてるぞ。まず、背丈が高く驚く。楽々腰の高さを超えていて、この先穂が重く垂れると倒伏が心配だ。おっとまた出た稲作難解用語!倒伏、つまり腰砕けで倒れるってことだ。なんせ、コシヒカリはコケヒカリと異名をとるくらい倒れやすいイネなんだ。ぐいぐいと伸びて逞しい姿には感動するんだが、おいおい、そろそろいいんじゃないかそんな背伸びしなくたって!ってちょっとおろおろしたりもする。有効茎数、ってつまり穂が付いた茎の数ってことだけど、これも平均20本を越えていて、我が家のイネとしては破格の多さになっている。

 一方のヒトメボレも負けてはいない。もともと背丈は低い品種なので、コシヒカリの堂々とした体躯には見劣りするものの、その分茎数は多く、例年だと透けて見える株もとが、覆い尽くす稲穂でまったく見通せない。こちらもどうやら豊作のようだ。が、一転、水口に足を運ぶと、どうしたことだ!未だに真っ青、背丈もちんちくりんで、穂の出る気配とてさらさらない。しかも、そんな未熟児たちが、かなり遠くまで広がっているのだ。そりゃ、くみ上げの井戸水だから冷たいよな。水温12℃なんて冷水を毎晩かけられてれば、縮こまってしまうのも同情できるってもんだ。同じ田んぼなのに、出穂が1ヶ月近くも違う。まっ、そりゃ例年のことなんだが、今年はその差がさらにひどい。1ヶ月どころか、稲刈り時期になっても穂が出ないかもしれないって不安になるほどの生育遅れだ。

 同じ井戸水の冷や水かかりでも、コシヒカリの方は水口までほぼ穂が出ている。草丈も負けじ劣らず立派なもんだ。寒さに強いのは、どっちかと言えばヒトメボレのほうなのにこの格差はなんだ?わからん!

 しいて違いを引っ張り出すとすれば、コシヒカリの井戸は他の人と共用なので2日に1度しか出せないことかな。でも、ヒトメボレの方も、極力冷たい水に長時間さらされないようにと、夜遅く懐中電灯片手に水を出しに行ったり、夕方から夜までに限ったり、けっこう気使ってきたつもりなのに、・・・わからない。

 米作り、何年やってきても、毎年毎年違う姿で現れる。その都度、悩んだり、頭痛めたり、ときに絶望したり、たまに喜んだりしてきた。そのたんび、来年こそは、次こそは、と、あれこれ課題を見いだして冬を越し、春には新鮮な意欲に満ちて苗作りに突入していく。だから、止められない!それが米作りの魅力てもんなのかもしれない。

 

コメント
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