コント大会に向けて、初の台本読み。もう、いつものことだから書きたくないが、どうしてこうつまらなくなってしまうのか?コント台本は特にそうだ。まっ、たしかにね、初めて読んで笑いのツボを的確に掴むってアマチュア役者には難しいんだろうな。稽古の繰り返しの中で少しずつものにしてもらうしかないが、今回は時間が少ないから、そこはかなりハッパかけなくちゃならないだろう。
本読みを聞きながら、感じたのは、その人間の持ち味と役柄をどうすりあわせていくかってことだった。今回の台本では、実年齢より高い役を演じることが多い。シニアと言っても、菜の花座のシニアは若いから、じじ、ばばを演ずるにはかなり自身から離れないとならない。若手の場合、40歳も歳を上に鯖読むことになる。コントの場合、キャラクターにつても当人とは大きくかけ離れることを求められる。
リアルな舞台よりは、作るってやり方が許されるとは思うのだが、あまりにも自分からかけ離れて演じると、わざつらしさが目に付くことになる。声優の場合なら、声がすべてせりふが勝負だから、作りきってしまうってこともありだろ。でも、舞台の場合は、当人の身体を隠し通すことはできない。自分から離れる役作りが、観客の違和感につながって行ってしまう。
自分の持ち味を生かしつつ、いかに役にすり寄って行くか、ここが役者としての技量であり、個性なんだと思う。そう、個性、役と自分との距離の取り方、その縮め方も役者それぞれに違う。思い切ったデフォルメから入る者、役の特徴をとらえて一点突破を図る者、自分を少しずつはみ出し役にたどり着く者、様々だと思う。どの方法が良いとか、どれがうまく行くなんてことはとんとわからない。
当分は、それ違う、そこあんたのまま、それじゃ若すぎ、そんなの詰まらない、なんてダメだしを続けながら、役者本人が役にたどり着くのを待つしかないのだろう。何度も何度も繰り返して、ああでもないこうでもないと工夫し、気が付いたら、おっ、結構面白いじゃん!っとなって行くのだと思う。役者も演出もやけにならない、投げてしまわない、どこまでも粘り強く、手探りしていくしかないんだろう。