ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

お盆って言ったら、・・・台本書きでしょ。

2015-08-13 08:58:06 | 暮らし

 さあて、お盆だ。で、何か?

 田舎暮らしを始めてこの方、一番戸惑うのがこのお盆って奴だ。我が家の場合、先祖代々なんて身近にいるわけでもなく、帰ってくる親族だって息子一家くらいだが、これもお盆は避けて帰省する。墓も無ければ仏壇もない。両親はすでに他界しているものの、様々事情あって墓参りするでもない。土台無神論者に近い身としては、劇作の上ならまだしも、日頃の暮らしで死者とのおつきあいは希薄なのだ。

 だから、お盆は困る。周囲の家々にはたくさんの霊が寄り集っているらしく、お迎えの墓参りから送りまで、普段と違う粛々とした時間が流れている。先祖や離れていた家族たちとの懐かしい一時に、外で農作業に励む人などほとんどいない。せいぜいが早朝の草刈り程度で、昼など行き交う車の音もまばらになって集落は静まりかえる。

 しかし、我が家には、やることがない。いや、やりたいことは山ほどあるが、できない。例えば薪作りだ。木は、夏の暑さが続くうちに割ってしまうと、乾燥も進み、冬場ストーブでよく燃える。秋は稲刈りなど農作業が雪崩を打って押しかけてくるので、できればこのお盆の時期にやっつけておきたい作業だ。だが、だれも外に出ていない、静まりかえった空気を切り裂いて、チェーンソーの爆音を轟かせるのはかなり勇気のいるところで、元来KYとほど遠い僕としてはとてもできるものではないのだ。退職以前は本当に弱った。ここしか休みがないからだ。秋は一気に大会シーズン、この貴重な休みをどうしても無駄にしたくはなかった。

 今は、薪割りを先延ばしする程度のゆとりはできた。でも、無為に家にこもっているのは性に合わない。混み合う町や映画館に出掛ける気などさらさにない。ジムで時間つぶしを、と思ったら、お盆休業だと。外を走るってのもなんとなく気が引ける。じゃあ、なにするんだ?

 そりゃ、台本書きしかないっしょ!

 ここ数年、お盆っていったら台本書き、これが定番になっている。シニア演劇学校の11月公演、菜の花座の9月コント大会12月定期公演と書かねばならぬ台本は目白押しなのだ。盆明け最初の稽古日にはコント3本を渡さなくちゃならない。大会まで1ヶ月もない。背後にはコントの霊がのし掛かっている。ということで、さっ、書き始めよう、1本目は、自殺志願者を巡っての死者案内人たちの熾烈な客引き合戦のコントだ。うーん、さすがにお盆じゃないか!

 

コメント
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