ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

雨が降ったから、嬉しくって!

2015-08-14 08:44:38 | 農業

 雨が降った!待ちに待ち、雨乞いしたいほどに願った雨が降った。

 あの豪雨以来だから、20日ぶりか。この間、とことん快晴、ずばっと晴天、むっちり高温が続いて、畑はかさかさのぱさぱさ、田んぼはちょろちょろ水を奪い合うほどになっていた。道路端のひまわりも枯れる寸前、頭を垂れ、枝葉の肩をだらりと落として、今にも崩れ落ちそうな有様。ブルーベリーの水やりも再開した。畑で元気なのと言えば、なすとスイートコーンくらいか?どうなってんだい?こいつらの身体は。

 すでに植わっている野菜類が渇水と暑さに苦しんでいるのも見るに忍びないのだが、秋野菜の種まきと苗植えが気が気じゃない。キャベツやブロッコリー、カリフラワーの苗は小さなポットの中でぐいぐい育って、早く畑に移植しろい!と叫んでいる。白菜の種まきも盆前が適期だ。砂埃の立つ畑に、種をまくってわけにはいかない。畑の方は、堆肥もしっかりと入れ、二度目の耕耘も済ませて、いつでも移植、種まきできるよう準備万端だ。このまま続けば、水を撒いて植えるしかない。播くしかない。でも、この乾ききった土、バケツ一杯植え穴に注ぎ込んでも、数時間後にはすっきりさっぱり乾ききってしまう。てことは、日に二度も三度も水やりを続けなくちゃならないってことだ。これは辛い、人間にとっても苗にとっても。

 そこに待望の雨だ!もう、雨だっ!雨だっ!と外で踊り出したくなるほどの喜びだ。さすがに踊りはしなかったが、傘もささずに畑の見回りにでかけたりはした。そのくらい嬉しいことなんだ。幸せなことなんだ。欲しい時の雨の恵みってもんは。

 この喜びは都会の人間にはわからない。農業をしたことのない人間にもわからない。同じ天気予報でも、どんな気持ちで聞くか、その違いはとてつもなく大きい。特に都会で作られるテレビ番組じゃ、ほとんど農村、農家のことなど念頭にないからなぁ。

 たっぷりと水気を吸って暖かく穏やかな表情を見せる畑に、キャベツの苗が誇らしげに枝葉を張っている。

 籾殻の下の白菜の種もたっぷり水分を吸い込みじわりじわりと膨らんでいることだろう。

 苗の茎を上がっていく水の音が聞こえる。小さな種が膨らむ姿が目に浮かぶ。農業はどこまでも自然とともにある。

 

コメント
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