なんせねえ、装置が大物だから。とてもアマチュアとは思えない奇想天外の代物だから。ほれ、列車ガード下のトンネル作っちまおうってんだから。とてもじゃないが、前日の仕込みに搬入してたんじゃ追いつかない。プラザの許可もらって、その1日前に荷物一切合切搬入させてもらうことにした。
が、この冬将軍猛威を振るうまっただ中だぜ。天気予報覗いちゃ、雪の晴れるの祈ったのもむなしく、始めてみりゃやっぱり雪、あ~ぁ!恨めし気に空睨んでたって終わりゃしない。やると決めたんだんから、吹雪いてこようとやる。なんて、気合い入れたら、ほんとに吹雪いて来たぜ。
なんのこれしき、負けるもんかいジイサンバアサン、おっと若いのも二人ほど。ここは、積み込み名人の指揮のもと、次々と積んで行く。それにしてもあるもんだなぁぇ、これ全部かい?!中にゃ何に使うのかわからんものから、壊れた自転車まである。せっかく装置さんがこだわった作り物、なんとしてでもトラックに乗せなけりゃ。
積み込みのこつは、左右両側に作りがしっかりしたパネルを立て、その中に形が不揃いなものを押し込んで行くことと、ともかく、荷台の横幅目いっぱいに物をはめ込むことだ。こうすることで、両側のパネルが直立する。って、言っても自立しやしないので、作業の間中、両側からパネル押し担当が押さえ続ける。この雪の中、じっとパネルを押し続ける、大変仕事だ。
荷物総量を一目見た時にゃ、とても無理!と思った荷物の山も、さすが名人、1時間半の悪戦苦闘ですべて積み切った、と言いたいところだが、若干の積み残しには乗用車も動員した。
そろりそろり運転して、プラザ到着。良かった、無事たどり着いた。途中雪は降り続いたが、シートも掛けずに強行したので、荷物の上部2センチの積雪!一人は雪払い係、箒を持って雪を払いつつプラザ搬入口に運び込んだ。幸い、雨と違って、濡れて塗料が落ちるってことはなかったが、レンガ壁のレンガパネルが何枚も剥がれ落ちていた。まっ、このくらいなら、被害とは言えない。すべて荷物を運び込んだところで、期せずして拍手!やり切ったぜぇ、って、おいおい、荷物搬入できただけだから。
勝負は明日の仕込み、建て込み、そして、明後日の本番だからな、いい気になってちゃいけないぜ。