ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

装置だって見ものだ!『ガード下★魔女は踊る』

2018-12-10 09:29:32 | 菜の花座

 若くて可愛い新人二人だけじゃないぜ、公演の見ものは。

 装置がトンデモナイ!

 やるかい?フツー。舞台にどでかいトンネル作るなんて!?洞窟だとか、炭鉱の坑内とか、穴ぐらが舞台になった芝居はこれまでもあった。でも、天井まで塞いだ密閉空間作ったりゃしないだろ。いや、屋内だって同じだ。仮に屋根上げるとしても、ごく一部象徴的に張り出す程度だ。これ、当然のことで、上を覆ってしまったら、サスペンションの照明が照らせなくなっちまうからな。だから、芝居作る時は、屋根や天井は観客との暗黙の了解、あるってことで納得してもらっている。だれも不思議だなんて思わない。この家、雨降ったら大変だ!なんて小学生だって言わない。まっ、王様の裸が公認されてるようなもんなんだ。

 だが、菜の花座、天井付きのトンネル作っちまったぜぇぇ。だって、そうだろ、ガード下が舞台なのに、ガードの高さが5メートルも6メートルもあって、横壁だけ見えてて上は覗けない、なんて、新幹線のガードじゃないんだから。舞台は、時代から取り残されたやっと人が立って歩けるくらいの低くて暗いガードなんだ。知ってる人は思い出してくれ、渋谷公園通りが井の頭通りに合流したところで山手線をくぐって宮下公園に抜ける、あのガードだ。

 どんなに薄暗くしたところで、客席からはガードトンネルの上部が見える。入り口のアーチだけで天井が突き抜けの作りだったら、なぁぁぁんだ!ってその時点で馬鹿にして居眠り始めるぜ、きっと。

 こりゃどうしたって、天井付きのトンネルだ。

 ほんじゃ照明、どうする?ところどころ明り取りを開けてそこからサスの明かりを取り込むか?とか、フロント、客席を横からの照明、で差し込ませるか?とか、段プレートで覆って、薄っすらぼんやりトンネル内を照らすか?などなど、1か月近く、装置さんと激論を戦わせ、ようやくたどり着いたのが、グレーの紗幕で覆うって方法だ。これならいかにもトンネルらしくボーっとした明るさが作れるんじゃないか。いや、やって見にゃわからんけど。よしっ、これで行く。

 として、紗幕を支えるフレームはどうする?なんせ、間口4間、7.2メートルもあるんだぜ、高さも入り口は2間!かなり頑丈な作りにしなけりゃ布と言えども支えきれない。木枠とか鉄パイプで作ってバトンで吊るかとか、途中の支柱はどうする?とか、ここでもまたまた激論、熱論。結局、しなやかでそこそこ強度もある塩ビパイプを利用することで切り抜けた。

 塩ビ管を2本つないで円弧を作り、トラスと角柱で支え、横壁は頑丈なコンパネパネル。

 よくぞ作ったもんだぜ!これ、ほぼ装置さん一人で作って立てたんだから。凄い才能だ。あきれ果てた執念だ。こんなモノづくりの鬼がいるから、菜の花座の舞台はますます途方もなく過激になって行く。この構想力と工夫力に人手と資金が加わったら、プロにだって負けない。

 このガード見るだけだって、入場料の半分くらいは元が取れる。それにダンスに歌に、面白いストーリー。こりゃ年末超お買い得セールだ。どんだけ雪積もったって、見る価値あるからね。たとえ、吹雪いたとしても、16日(日)はプラザに直行だぜ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする