ステージおきたま

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歩き出す女のすがすがしさ!『アンオーソドックス』Netflix

2020-10-01 09:54:40 | 映画

  またまたNetflixネタだぜ。しょうがないよなぁ、毎晩ともに過ごす仲なんだから。

 『ラストキングダム』見終わって、さて、今度は何見よう?ツイッターにNetflix絡みのツイート2件遭遇。一つは立憲民主党の辻元清美の自己紹介動画、「今、はまってるのはNetflix。暇さえあれば見てる。」って相当の中毒症状だよな。ますます辻元が気に入って、リツイートしちまったぜ。も一つは、偶然飛び込んできた女性のツイート。『アンオーソドックス』に心揺さぶられた、って内容だった。別にフォーローしてる人ってわけじゃなかったが、何故か、あっ、これ行けるかも!って、直感ね。

 視聴し始めて、驚いた。えっ、これって、空想もの?近未来とか???黒く長いガウンのようなコート着こんだ男たちはみんな、頭に毛皮製の帽子ケースのようなものを被ってる。しかも、その両頬にはカールした長いもみあげを垂らしている。女たちもどこか異様だ。美容院でセット途中の女性のような、あるいは洗髪直後のタオルのようなキャップで頭を覆っている。か、どう見ても鬘としか見えない黒すぎる髪!?

 見て行くにつれ、ユダヤ教の超正統派・サトマール派の話しだってことが判って来る。うひゃぁぁ、こんな奇っ怪な人たちいるのかよ、ニューヨーク!ウィリアムズバーグって一角に今も5万人近い人たちが、めちゃくちゃ厳格な戒律を守って暮らしてるんだそうだ。食べ物のタブーはもちろん、スマホなんかも使用禁止。中でも驚きは、結婚した女性は丸坊主になる!って掟。なるほど、それで不自然な被り物だったのか。男女間の役割差別もとても厳しい。女性は子を産み育て、男は働く。しかも、その子作りのセックスには、快楽が伴ってはいけない!うはっ、これ、辛そ!!

 そう、物語の主人公若妻エスターは、このひたすら挿入を迫る暴力的?セックスに耐えきれない少女。必死で応じようとするも、激痛に絶えられず新婚1年経過するも接合は成功しない。旦那はなじる、その母親・お姑さん、は、いびりにいびる。我慢に我慢を重ねやっと成った一度の性交、奇跡的に妊娠したって言うのに、旦那は端から妻の発言を遮って、離婚を宣言してしまう。

 もう、こうなったら、逃亡しかない。この狭く居心地の悪い社会になんていられるもんか!かつて自分を見捨てた母親を頼って、見ず知らずのベルリンに果敢に飛び込んでいく。妊娠を知った亭主とそのいとこが、教団の長老の命を受けて追跡に旅立つ。ベルリンで待ち受けるものは、・・・

 と、この勇気ある女性・少女の行方をはらはらしつつも声援を送りつつ1シーズン4話のエピソードに釘付けになったってことさ。新しい環境への戸惑いと受容、母との和解とか、受け入れてくれた音楽仲間たちの励ましとか、心も体も燃え上がるセックスなんかも経験しつつ、自身の選択にしだいに自信を深め、ついに、・・・ベルリンの街区を歩く女の誇らしい足取り。

 これは、引き寄せられるよ。日本の女たちだって、同じような境遇じゃないか。お目出度はまだか?次は男の子!それ以前に、早く結婚しろ!女の生きがいは、子を産み、育てること、そんな世間の常識、圧力に晒され続けてるものな。政府が結婚奨励金定めたり、不妊治療の補助制度を作ろうとしてるのだって、この流れだろ。少子化対策=女は結婚して子育てして一丁前。結婚しないキャリアウーマなんて小生意気、非正規職やアルバイト女なんて、政策の対象外、どころか、邪魔者扱いだぜ、自民党の政治家たちにゃ。家父長制万々歳の首相の元で7年半も突っ走ってきた国だからな。

 いや、女たちだけのことじゃない。実は、男たちだって、この社会の有形無形の圧迫の中で苦しみ悩んでいるだと思うよ。納得できない縛りや常識、家族を養えて当たり前って思い込み。低賃金、不安定な職場、結婚なんてできるわけねえだろ、やってらんねえよ!

 誰もが感じてる世の中の不条理、そんなもんを突き破って、新しい世界、本当の自分を目指して一歩を踏み出したエスター、心揺さぶられないわけないじゃないか。

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