ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

燻炭きれいに仕上がった!

2020-10-07 15:53:41 | 農業

 ちょっと早いんだけど、燻炭作っちまおう。いつもなら、迫りくる寒さに追い立てられながら、薪割りしてる頃だ。でも、今年は、へへへだぜ。購入材の大物は夏前にきれいさっぱり刻み終えたし、盆過ぎに貰って来た河川支障木軽トラ5台分も、新戦力スチールのチェーンソーの威力で8月中に片付いた。

 稲刈りも順調に進み、今ややることと言えば、イネの架け替えくらい。だったら、燻炭作っちまおうぜ。早く出荷する農家はもう乾燥、籾摺りも終わってる。もみ殻もいいだけ持ってけ!で手余してる。たっぷり運ばせてもらって、たっぷり作ろう。

 もみ殻を炭と同様、半端焼きしたものが燻炭。こいつは農業じゃいろんな場面で大活躍するんだ。イネの種蒔き床に入れたり、苗の移植土に混合したり、畝のマルチ材としてばら撒いたり、ともかく有益、有効、この上なしなんだぜ。しかも、原料はもみ殻だけだろ。廃物の再利用ってことで、エコ的にも優等生なんだ。

 簡単に言っちまえば、ただもみ殻を燃やすだけ。いやいや違う。燃やしちゃならない。燻ぶらせるんだ。火力を適度に保つってえのが、意外と難しい。赤い炎が舌を出し始めたら、温度高すぎ。煙がゆっくりしか上がらなければ、低すぎて、仕上がるまで一昼夜かかっちまう。常に、一定の火力を保つ必要がある。

 積み上げたもみ殻の中心に専用煙突を立て、その内部で紙など燃やして種火とする。それにもみ殻を煙突上部から一握りずつ入れて火を強くして行く。火がガンガン熾れば、あとは、周囲にもみ殻を寄せるだけだ。煙突の下部スカート部分に接したものから、焦げ焼きになって行く。

 ここからだ、目が離せないのは。放っておくと、すぐに温度が上がり、炭を通り越して灰になっちまう。そこで、定期的にもみ殻を寄せてやって、常に半焼きが続くように気配り手配りが必要なんだ。横にずっと着いてなきゃいかん、ってほどのべつ幕なしじゃない。長い時は1時間おき、短ければ、15分に一度と、火の回り具合、もみ殻の乾燥程度、そして、何よりも風の度合いによって変わって来る。

 今回なんかは、籾も乾いていて、火の回りも早く、朝の無風はすぐに風速3~4メートルと準強風に代って煽られたので、15分に一度はもみ殻を寄せてやらにやならない。仕方ないので、近くで別の仕事をしながら、時間を見計らって駆けつけるってやり方で対応した。

 まず、ふろ用に薪を小割りする作業で時間をつぶしたが、まだまだ。ラッキョウの畝周りの草取りしようか。これで、半日。そうか、イネの架け替えもいいぞ。ただ、田んぼはちょいと離れてる。どうする?自転車で行ったり来たりするしかないな。なんせ、火力はどんどん強くっなって、15分に1度もみ殻寄せてやらにゃならんもの。

 行ったり戻ったりの午後2時間!焼きあがった燻炭!よしっ、上手くできたぞ。周囲のこぼれを除き、中心部まで一様に黒く炭化した。なかなかこうは出来んのだぜ。よし、満遍なく水を掛けて消化しよう。

 ただ、問題はここからだ。燻炭の埋もれ火って結構火力が強くて、20分近く、放水を続けて、煙も見えなくなっても、どこかに種火が残っていて、そいつがじわじわと勢力を増して、気が付いた時には、真っ白け!すべて灰にまで燃え尽きていた!なんて泣くに泣けない経験も何度もしてきた。

 今回はそうは行かんぞ。1時間おきに何度も散水して完全鎮火させてやる。って、ことで、今も天地返しと水撒きを済ませてきた。これで3度目。この状態で肥料袋に詰めてしまうって手もあるんだが、万一、その中で残党が火の手を上げたら、火災の危険もある。一晩はこのまま、放置して様子を見よう。

 ってことは、これから寝るまで何度でも、見回りと放水作業を繰り返さにゃならんってことだぜ。なっ、単純な作業だが、意外と奥が深いだろ。まっ、農作業てのはこういったもんなんだぜ。

 

コメント
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