自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

血圧の基準値論争:~ボケと降圧剤

2014年06月13日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

 脳卒中と血圧の関係         2014・6・13

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血圧などの基準値について、

人間ドック学会理事長・脳卒中の専門医 奈良昌治医師は

インタヴィーに以下のように応えている:(*1)

“今すぐ基準値を変えるべきだ”

というつもりはないとしながらも、

“これから5~10年かけて追跡調査を積み重ねて、最終的結論を

導き出していく“

という。

 

2014年4月初旬、日本人間ドック学会健康保険組は、

“新たな検診の基本検査の基準範囲”と題する研究資料を公開。

その公開数値が、現行の基準値とは大きく異なっていたこと

から医学界では大激論が巻き起こっているという。

 

例えば、高血圧の現行基準値は129であるが、新しい基準値では

147になる。

 

奈良医師は言う。

“例えば、血圧が130を超えたらすぐに、‘お薬を飲みましょう’という医者は

いい医者とは思えません。“

としたうえで その理由として、”血圧とストレス”、”心理的背景原因”が

高血圧の背景に、大きく関係していると、吉田元総理の話を

挙げている。

吉田茂元総理は、かつて、マッカーサーとの政談で、

血圧が300を超えることがあったというのだ。

300を超える値は普通の水銀血圧計では測れない。

どのようにして計測したのかはわからないが、この高血圧

状態が精神的圧迫、ストレスに要因していたということは

吉田氏が総理をやめてから、一気に150まで下がったことから

わかると奈良医師は述べる。

 

さらに、奈良医師はこうした実例を出しながら

ご自分のケースを例にとる。

“わたしも足利赤十字病院の院長だったころはいつも、血圧が180前後で

心配事があると、200を超えることもありました。

でも院長を辞めてから、かなりよくなった。“

 

だから、医者は血圧が高くなったと心配するより、

患者の精神的背景に、何か事情があるのかもしれないと様子を

見る必要があるとも言う。

 

昔は場合によっては、乳糖などでできた偽薬’

を出すこともありました。

血圧の薬ですよ’と言って飲ませると

‘ああ、よかった’ と安心して血圧が下がる人もいるんです。・・・

そのくらい、血圧というのは精神的なものに左右されるのです。・・・

強面(こわおもて)の上司の前も(血圧は)上がる。

リラックスして一杯飲んだら下がるもんです。“

と いわゆる ブラシーボ効果を例にあげて、

人の想念の力が体に及ぼす影響にも触れている。

 

血圧が高いと脳溢血や脳卒中など、脳の血管が切れてしまうと

心配する人は多い。

脳出血と高血圧の関係について、同医師はこう述べる。

 

今では、日本人の栄養状態が良くなって、血管が丈夫になり、

血圧が上がっても、そう簡単に血管は破れなくなった。

むしろ、血圧が下がったときのほうが危ないこともあるのです。“

 

血管を水道管に喩えるのなら、建物が古くなればなるほど、

水道管の中は長年の小さなゴミや髪の毛や食べ物のカスなどが

付着して場所によっては通りが悪くなる箇所も出てくるのは当然だろう。

 

水流を上げることによって、水道管が多少細くなっていても

水の循環を保つことはできる。

同様、年を取った身体の血管が詰まりやすくなれば、

血流を体の隅々まで行き渡すために心臓のポンプの圧力が高くなるのは

当然だろう。

2足歩行の人間は他の動物より血圧を高くする必要が出てくる。

心臓より、頭が上にあるからだ。

だから、頭の血が滞っては、弊害が出るから、血圧は高くなる方が

自然だともいえるのだ。

 

老人の高血圧に対して、当たり前のように降圧剤が出される。

しかし奈良医師は次のように警告する。

“駆け出しの医者が血圧が高いからといって、

おじいさんにたくさんの降圧剤を出すでしょう。

すると、脳に血が回らず、あっという間に、ぼけてしまうのです。“

 

血圧が高くても自分は健康だ~と知っている人は

それでも結構多いだろう。

基準値も見直される昨今、高血圧は薬で下げるべきと

いう等式はもう通用しなくなっている時代にきているのかもしれない。

 

奈良医師も確信的にこう述べている。

“数値にはこだわらないほうがよい。

本当に大事なのは医師が経験を積むこと。

何か悩み事があるか、医者はそういうところまで

目を向けなければいけない。

この数値を超えたら薬を出すべきだと思っている医師

はまだまだ駆け出しですよ。“

 

医者だけの問題ではないかもしれない。

私たち一人ひとりがこうした見解を理解して、

高血圧の薬をもらえば安心できるという

これまでの考え方を見直す必要もあるだろう。

奈良医師は、そうした現状を認めている。

医師側から見れば、患者側からの”とにかく薬を出して欲しい”

という訴えがあるからこそ 降圧剤を出すということになる。

そういう患者に限って

“薬を出してくれないから、さらに病気が悪化したのだ”

と医師を責める人が少なくないことを知っているからだ。

私たち一人ひとりが、体の生命機能に信頼を寄せて

むやみに薬を与えない医師にはむしろ感謝をもって

信頼関係を築くことができるようになれば、様々な点で

良い意味で改革が進んでいくような気がする。

 

*1~週刊現代 2014・5・31号

 

 

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