人の五感に見られる”グナ”のお話 2023年10月30日
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前回の記事で、
”4・三つの属性(グナ)より、有る我 が幻術
をつきやぶることは難しい。
されど、’まことのわれ’に頼るものはこれを克服する(7章14節)”
されど、’まことのわれ’に頼るものはこれを克服する(7章14節)”
というフレーズを”ギータ”からご紹介しました。
今日から数回、この”グナ”のお話をさせてください。
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グナ とは”形象”の意味です。
文字通り、形の中にある”イメージ”、ヴェーダ哲学の中で、
グナは、物質を理解するための、質といえそうです。
浄性、激性、鈍性 という言葉をお聞きになったことは
あるでしょう。
グナは、この三つの要素に分けられています。
サットヴァ、ラジャス、タマス というサンスクリット語が、
この三つのファクターの言葉です。
この三つの性質のどれかは、現象世界に存在する物すべてに
当てはまり、元素のひとつひとつを構成するものと言われています。
それは’人の性質’にも、あてはまります。
だれでも、”浄性、激性、鈍性”=”サットヴァ、ラジャス、タマス”
この三つの要素をもっています
どの要素が強いかで、その人の感情や心の側面を計ることが
できます。
たとえば、ラジャス要素が強い時、人は好戦的に、活動的に、
情熱的にふるまう~といいます。
タマス的要素は、その反対で、動作が鈍く、怠惰的な感情、
受身的行動などにあらわれます。
サットヴァ的な要素は、その中道をいくもので、平和的で穏やかな
調和のとれた行動をとります。
まとめると、
①サットヴァ は 安寧、平和、清らかさ。
②ラジャス は、激しさ、活発さ、燃える。
③タマス は、スローでゆったり、愚鈍、さえない感触。
が一般的な解釈です。
日本語ではそれぞれ、浄性 激性 鈍性と、訳されてます。
どのグナが良い悪い という区別はなく、それぞれが役割を
になっていると考えられてます。
ところで、グナとは、少し離れますが、宇宙を生み出す
元素は、5つあると、ヴェーダ哲学ではいわれています。
空・風・火・水・地 です。
それぞの元素が、上に述べた三つのグナに結び付いて、以下
のような現状が現れるといわれます。
それぞれの元素がサットヴァと結びついた時
① 空、 この空が 浄性(サットヴァ)と結びつくと・・・・
最高な純粋の浄性として現れる。
肉体感覚器官でいえば、空の要素は聴覚器官の耳にあたります。
②風 の元素が 浄性(サットヴァ)と結びつくと・・・
肉体的感覚器官でいえば、皮膚に現れます。
同様に、ほかの元素がサットヴァと結びつくと以下のような、
五官が生まれます。
③ 火 の元素 は 目、
④ 水 の元素 は 舌
⑤ 地 の元素 は 鼻。
そういえば、’火のように燃える’という形容が付くときは
眼に対してです。
水商売という、水の字がつく商売。
これは、水の要素の、”舌”と関係があるのでしょうか?
料理や飲み物を味わう、’舌’あっての商売だからでしょうか?
蚊が飛んでくると、その気配は、空気の振動で、感じます。
それは’風’の動きです。
その風の表象が”皮膚”ですから、皮膚は、蚊に対して、敏感に
反応するのでしょうか・・・
そして、音楽家。絶対音感の発達している人は、空気の振動を、
きちんと聞き分けられる”耳”を持っています。
空と耳、ヴェーダでいうところの、空の要素が身体に現れている
からなのでしょうか・・・
このように、自然を構成している、5つの元素から、人も自然の
一部であるため、身体上に、聴覚、触覚、視覚、味覚・臭覚の
機能が生まれました。
次に、これらの元素が、ラジャス、つまり激性と結びつくと?
”激性”が加味されると、生命力(プラーナ)と結びつくと
言います。
①空 の激性は 声に、
②風の激性は、手に
③火 の 激性は足に現れます、
④第四、第五の元素である 水 と 地 は、人体の二つの
排泄器官となると言います。
こうして 3つのグナは、それぞれの意味合いを持ち、物質や、
人の性質や、感覚器官にも作用を及ぼしています。
先もお話しましたが、インドでは一日を、三つのグナに
分けて、食生活にもとりいれています。
朝、夜明けの時は サットヴァの時間帯で静かに瞑想したり、
祈ったりする時間とされているので、 朝食は軽くとります。
なぜなら、まだ体がタマス(けだるく、休んでいる状態)に
浸っているからです。
日が昇れば、だんだん、活力が増し、活動的なラジャス時間帯
に移るので 仕事や勉強が集中できます。
昼食はこの時間帯にとると、少々カロリーが高くても、代謝が
良いので太りずらいのです。
ラジャスの生命力で、消化力が高まっているからです。
日が沈む夕方、この間は再び、サットヴァの時間帯です。
夜明け前同様、祈りが捧げられる時間帯。
そして、夜になると、タマス的時間帯となり、身体はその活動が
緩やかになって、内臓活動も沈静化していきます。
そこで、夕食は、体に負担にならないよう、日が沈む終わらせる
と家族もいます。
真夜中は完全にタマスの時間帯。
心も体も、この時間に休息して、活力を復活させるのです。
明日に続く......
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