同胞も離れ離れで歳老いて葬儀の席も生きて欠けたり
認知症耳遠ければ弟の死も届かぬ長姉ありのまま生く
心せど農夫症で歩けぬ身長兄拝す電話の向こう
母浴びた産湯の沢に溶ける灰わけた御魂に安らぎ願う
塵となり地に還りゆく三兄をいとおしむかな指の先々
同胞の葬儀に揃わぬ歳なれば先は寂しき事ばかりなり
認知症耳遠ければ弟の死も届かぬ長姉ありのまま生く
心せど農夫症で歩けぬ身長兄拝す電話の向こう
母浴びた産湯の沢に溶ける灰わけた御魂に安らぎ願う
塵となり地に還りゆく三兄をいとおしむかな指の先々
同胞の葬儀に揃わぬ歳なれば先は寂しき事ばかりなり