トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

ミツマタの蕾

2024-01-02 | 感じるままの回り道

 暮も押し詰まった晦日、年内最後の水見回りをしてきた。インフルエンザやコロナでは無かったものの月半ばから鼻汁と咳に悩まされて10日ほどフイールドへの出勤は休んでのブラブラ病だ。溜まりに溜まった役所での窓口手続きに振り回された結果だと信じて疑わない。何を隠そう、小生は斯様なストレスには皆目弱いのだった。

 それはともかく数年前に挿し穂を取り密閉挿しから育てて定植したミツマタに蕾がついている。「漸くここまでになったか…」と安堵もするけれどまだまだ予断は許されない幼樹である。丈は40cmほどには成長しているがまだまだ周囲の草勢に負ける大きさでせめて樹高1m越えともならなければ安心が出来ない。ミツマタは二本存在していたのだが下草刈りの時に切り取られて復活せず、立ち入り難い場所にあった1本だけが命脈を保っていた。母樹1本だけでは先々心細いので挿し穂を取り数を増やしたのである。

 さて、これらのミツマタ、早春に開花してくれるけれど蜜源としての効用があるのかどうか小生は知らないが多少とも蜜源になるようなら成虫越冬するチョウ類には多少は飢えを凌ぐ助けにはなるのかならないのか、どうなのだろう…。このミツマタ、生まれながらにして先祖代々ミツマタで通っている。現代ならさしずめ「セクハラまがいの行為」と断じられる恐れのある呼称だけれど人生二股も出来なかった小生にとってはまことに羨ましい名前なのである。

 姥捨て山から世間に目を転ずれば、どう見たってミツマタなのに「知らぬ存ぜぬ」、どう見たって不正なのに「差し替えました」や「秘書が、秘書が」なんて輩が多すぎる。それに引き換え灌木になるであろうこのミツマタ、そう言われつつも寒風吹きすさぶ中で開花する。ミツマタと呼ばれようと「天知る地知る。我に恥無し」という処なのだろうか。まっこと漢木である。山に入るようになってからミツマタとコウゾを空き地で育て和紙を作ってみる算段もしたのだけれど、そのための手間が惜しくて頓挫した。まあ、せめてもの償いでもあるが、ちなみにコウゾは鳥がばら撒く糞で増える厄介者でもあった。


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