子どもたちの木製玩具として面白いと思って長年作り続けている幾何回転体なのだがヘキサ・スフェリコンは製作過程もそうだし転がす条件も同じように手間を要する。とにかく立体化が進めば進むほど気難しくなりオロイドやスフェリコンのように平面で良く転がる性質は無いのであった。これまで数種類のタイプを試作してみたがそれぞれ狙いが異なり「工作簡単に」とか「安く手軽に」とか試作錯誤しては見たものの軽薄短小から抜け出せない。そもそも自分を見ているようで言い当てられているようで情けないのである。
結論を言えば一番手間暇かけて材料費もかかる骨格様のタイプが軽快さを出してくれた。初期の頃にも試作をしていて中子に菱形の材を入れたけれど位置の合わせが難しく円柱から切り出したり円筒から作ったりと試行錯誤していた。その過程で最終的解決案が正六角形の基盤に据える事だった。これなら接着面が広くて強度のある円柱仕様から円筒仕様、パイプ仕様まで応用が利く。そこで良く転がる骨格系タイプで試作してみた。正六角形の基盤の厚さを3mm、2mm、0,5ミリと変えて3種類試作したのだが、写真で黄色の基盤が薄いのであるが今回の試作品には向かなかった。ねじ止めの必要があるのにネジで止めると変形し反り上がってしまう。これでは正確な形が保たれない。一方、小さくて接着面の比較的広いタイプは接着時にマスキングテープの仮り止めで済んだのでネジ止め無用である。
結論としては「基盤の厚さにはあまり影響を受けないだろう」と言う事であった。この骨格系の外周は片刃の包丁のようになっている。オロイドやスフェリコンの外周ははまぐり刃状の仕上げでここが異なるのだが、過去には全てハマグリ刃状で支障はなかったものの接地面は主に外側なのだろうとの推測でそうしてある。元より理系の孤爺ではないので正確さは不明だけれどアレンジの範囲でもあって物作りの面白さはこう言う処にあると思っている孤爺なのだ。
むく材仕立てで削り出すつもりは毛頭なかったのだが写真を眺めていて「ビビビッ」と降臨したのは写真上段左側の円柱半割合わせタイプの長さを長くして、現在空間になっている部分を埋めそこから曲面を削り出せば良いのだと理解した。これなら既存の寸法を基準にすれば容易にむくのヘキサ・スフェリコンが作れそうだ。杭の端材があるから今夜の夜鍋で製図し明日、早速試作するか・・・。それにつけても肩が痛いわい。針治療は効き目があったが週に1回では年内に完治はおぼつかないだろう。水源地の掘り出しも行いたいけれど、じっと我慢の、我慢の出来ない孤爺であった。
縫製作業も玩具の工作も寝落ちするために読む読書姿勢も全て両腕の長時間固定で行う。これが固定された動作筋群の血行不良を起こして痛みに繋がっていると言うのが見立てなので毎日、大手を振って歩くしか能がない日々になりそう・・・。それは詰まらんし姥捨て山行きが無理なら自宅で工作、てなもんや三度笠だといつまでも治らず痛みで目覚めるし八方ふさがりが今日日である。我が人生、痛みに悩まされ続けるか取るに足りない工作物の完成に満足するか、二足のわらじも選択も辛い。