ふるさと納税 日本版タックスヘイブン
2016年5月18日(水)
「ふるさと納税」制度により、「『納税』400万円 もうけ約280万円」とあります。
千葉県大喜多町へ400万円寄付(実質的には納税ですので、以下納税と記します。)した人は、所得税と住民税から399万8千円減額されます。納税した自治体から280万円分の金券が贈られますので、279万8千円が「もうけ」になると書いてあります。
つまり、本来なら400万円納税しなければならない人が、120万円の納税で済んでしまうということです。(注 2千円はややこしいので考慮しませんでした。)
一方自治体からすれば、「もうかる」ところと、「そんする」ところが出てきます。納税をしてもらった自治体は、120万円「もうけ」になり、本来納税しなければならない自治体は400万円「そんする」ことになります。all Japanで考えると、自治体側は、280万円「そんする」ことになる訳です。日本人全体がこのような行動を行うとすると、仮に本来4兆円の税収があるところが、1.2兆円になっちゃうということですね。
誰が考えても、馬鹿げて愚かな制度です。(「誰」の中には、スゲー官房長官は含みません。この方が総務大臣の時に創った制度ですので。)
一体何故このような制度を創ったのかということですが、こりゃ、競争原理を至上とする新自由主義という奴ですよ。自治体間で「競争」をさせようという訳ですね。「そんする」自治体から国へ文句が出れば、「おたくも魅力的な制度をつくれば寄付が集まりますよ。努力が足りないんじゃないですか。」とその自治体のセイにします。しかし、自治体は競争に負けて退場ということにはなりませんので、自治体間にこのような競争原理を持ち込むことには無理があります。
見方を変えれば、日本版タックスヘイブンとも思えますね。合法的に「節税」できる。しかも富裕層にその「恩恵」が集中する。大喜多ペーパーの出現を望む者です。
知的格闘能力が低い私ですので、感覚的にしか言えませんが、タックスヘイブンなんて、新自由主義の申し子のようなモノですね。
だいたい、「ふるさと」なぞと人の心をくすぐるような名前の付いたものには、注意する必要があります。
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納税額が少なく、このような「恩恵」にあずかることができない私は、怒っているのであります。