学年だより「無意識の伝染」
オリンピックメンバーに選出された澤穂希選手が「自分の集大成としてメダルをとりたい」と抱負を語っていたが、「NEWS ZERO」で櫻井くんのインタビューに答える澤選手の姿も印象に残った。
「四回目で、もう慣れてませんか?」と尋ねられ「ないない。そんなことないですよ。やはりオリンピックはすごい所です」「でも、きついですよ~。フィジカル(トレーニング)とかは。もうこの年ですから。」と本音を語る澤選手の話を聞きながら、なるほどあれほどの選手でも、きついことはきついのかと、あたりまえだけど納得した。
人は弱い生き物である。
何かをやろうと心に決める。目標をもつ。その実現に向けて、あれこれと取り組んでいく。
しかし、途中でくじけずにやり続けていくことは難しい。
「本当にやる気があるなら、どんなつらいことでも乗り切れるはずだ」という言葉は一面真理ではあるが、そうそう単純なものではない。
たとえどんなに好きなことであっても、過程においては辛いことも多い。
目標が大きければ大きいほど、ときには逃げたくなるほどの苦しさがあるのは当然だ。
そんな時に、目標達成のカギをにぎるのが、仲間の存在だ。
~ 夢を叶えるのに大切なのは仲間の選択、といわれる。
人間は弱い生き物。ひとりでは何もできないし、すぐに“言い訳”をしてしまうし、すぐに「折れてしまう」。そして人にも影響されやすい。
さらに、仲間といると知らないうちに起こっているのが“無意識の伝染”。
だからこそ、自分を成長させたいなら、「誰と一緒に過ごすか」の見極めが大切。
自分が誰といたら、成長できるか? 輝けるのか? 決めるのはあなた自身。
どんな水槽でどんな魚の種類と一緒に泳いでいたいのか。
その水槽の選択があなたという人間を創っていく。
最初はひとりだけ違う泳ぎ方をしていたはずなのに … いつのまにか知らないうちに、ほかの魚と同じ泳ぎになってしまう。
まさに、水槽が変わると“無意識の伝染”で、いつのまにか自分の中身も変わってしまったりするもの。だから、いい“無意識の伝染”を意識してほしい。(鈴木浩一郎『折れないハートをつくつ7つの秘訣』オータパブリケイションズ) ~
人はどんな環境におかれるかによって、そのふるまい方は変わる。
その人がどうふるまうかで、環境も変わる。
類い希な才能を有するアスリートたちでさえ、チームで練習することによって、くじけそうになる心に打ち勝って自分を鍛えていく。
教室でも、部活のときも、ともにいる仲間を大事にしていくことが、目標達成をなしとげる一番の近道だ。