水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

崖っぷちの男

2012年07月18日 | 演奏会・映画など

 例年より早く夏期講習が始まったので、けっこうタイトなスケジュールになってる。やるしかないけど。
 午前中4コマ講習して、午後の練習では1年生メンバーの方をみた。
 楽器をもって三ヶ月。この時期の上達ぶりは目を見張るものがある。もちろんコンクールではいつも通り酷評されるだろう。音程をあわせようとか、楽器が鳴ってないとか。なんで出てくるの? というニュアンスを感じた講評をいただいた記憶もあるけど、ぜんぜんへいちゃらさ。むしろふざけんなという感じ。こういう演奏の方が泣けるメンタルでやってるからこそ、学校の先生をやってられるのだと思う。
 夕方かなり疲労していることに気付いたので、一服の涼を得るしかないと思い、南古谷ウニクスで「崖っぷちの男」を観た。
 いやあ面白かった。つまんなくて眠りに落ちるならそれもむしろよしぐらいの気持ちで出かけたが、はらはらドキドキの(こんな表現しかできないのか … )100分で、最後には映画的なカタルシスを存分にいただいた。
 名前も知らない役者さんばかりだったのもよかったかもしれない。
 もちろんあちらの俳優さんで名前がわかる方はほんのひとにぎりだけど、そういうビッグネームを使いました的作品には、あまりにお手軽感を感じることも最近はあったので。「幸せの教室」とか、その典型だった。
 主人公はもと警察官。警護を担当した宝石商からダイヤを奪った罪に問われ服役している。
 主人公のもとに、父親が危篤だというう知らせが届けられる。その後、もと同僚の刑事のはからいで父親の葬儀に参列することができた。なんとそこで彼は弟とケンカし、その騒ぎの隙をついて刑務官の拳銃を奪い、脱獄に成功する。
 次のシーンでは、逃げ切った主人公がルーズベルトホテルの21階から外に出て、街をゆく人々の注目を集める。
 と同時に、そのすぐ前のビルで、弟とその恋人がある計画にとりかかりはじめる。
 二つのビルの様子が交互に描かれながら、なぜ主人公が飛び降り自殺を装わねばならなかったのかが明らかになっていく。
 権力によって人は簡単に犯罪者にされてしまうことを知っているわれわれは、だんだんと主人公に感情移入し、それを救う家族の力に快哉を叫ぶことになる。
 アメリカ映画を観て思うのだが、ひょっとしたらアメリカという社会は、家族の結びつきがいまの日本よりよほど強いのではないだろうか。
 そう言えばキップを買うときに、となりで「ヘルタースケルター」を買ってた方がいて、「ほぼ満席ですので … 」とか言われているのを耳にする。そんなに入ってるんだ。レディースデーとはいえ、すごいな。きっと一人で入っていったら、何このすけべおやじって思われそうだから、もっと落ち着いてから観ることにしようと思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする