水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

経験値

2016年01月07日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「経験値」


 新年おめでとうございます。
 今年一年を「飛躍の年」にできるよう、新たな気持ちでがんばっていこう。

 ライブドア元社長の堀江貴文氏は、粉飾決算の罪で収監され、二年半の刑期を終えて社会復帰した。いま、さまざまな分野で活躍を続けている。
 刑務所での暮らしぶりは、収監中もメルマガで伝えられ、その後書籍にまとめられた。
 ある日、面会にきてくれた友人とのこんな会話が収録されている。


 ~ 友「そう言えば、僕が会社を潰して一番凹んでる時、最初に連絡くれたのが堀江さんだったんですよ。覚えてますか?」
堀「覚えてるかも」
友「その時、なんて言ってくれたか覚えてますか?『お前まさか落ち込んでるんじゃないだろうな? そんなの余裕だろ! お金がなくなっただけだろ。俺なんかお前の何倍もお金が全部なくなって犯罪者になって、しかも、これから刑務所に行くんだぞ!? それより全然イイだろ!!』と言われて、実はかなり楽になったんです。」
堀「へ? そんな話したっけ? ま、でも、その時の気持ちが少しはわかったから連絡したんだと思うよ。やっぱり同じ様な厳しい状況の人にしかわからない気持ちってあるから」
友「そうなんです。本当に辛い思いをして、やっと人の気持ちや傷みが分かるようになって、思いやりの心を持てるようにあったというか … 」
堀「そうだね。というか『人の気持ち』とか『思いやり』とかって、結局、経験値だと思うんだよね」 (堀江貴文『刑務所なう2』文藝春秋) ~


 ものすごく辛い思いをしている友人に声をかけにくいのは、その辛さがどの程度のものかわからないからだ。同じような経験を自分もしていれば、友人の辛さも実感できるし、どれくらいで立ち直れるか、どんな言葉をかけてもらいたいか、もしくは放っておいてほしいかも予想できる。
 「人の気持ちを思いやる」ことの大切さは言うまでもないが、しかし人の心はわからない。
 他人の「心の痛み」などわかるはずがないのだ。
 ただし、自分自身が様々な経験を積むことで、「思いやる」ことのできる範囲が増える。
「思いやる」方法の精度も高まる。それが精神的に成長するということなのだろう。
 勉強は何のためにするのか。人として成長するためである。
 身体的、精神的に自分を成長させる経験を意図的に行うことを勉強という。

コメント
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