水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

経験値(3)

2016年01月16日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「経験値(3)」


 かつて「拉致問題解決をめざす意見広告」を共同で行ったこともあり、日垣隆氏と親交のある勝谷誠彦氏だが、日垣氏の病状を知ったのはメルマガだったという。

 ~ 私は畏友・日垣隆さんが脳梗塞で倒れたことを、彼のメールマガジンで知った。 … 考えてみれば私も、日記で身辺のことを書いたならば、いちいち相手にメールはしない。しかし、逆の立場になってみると恐縮するほかはない。何よりも驚異的な生命力でいのちひとつはきちんと持ち帰っておられることを祝いたい。そこからは、日垣さんのことだ、メールを読む限り、それをまた楽しみながらリハビリにつとめておられるように見える。しかし、いかにご本人が辛いかは私はこれは、遠くから密かに声を送るしかないのである。(メールマガジン「勝谷誠彦の××な日々) ~

 勝谷さんは、いわば「トンパチ(思い立ったことを見境なく何でもやってしまう人)」に見える方で、世界各地の紛争地帯にも自費で自ら足を運び、取材する。論も鋭い。
 そんな勝谷さんが、ある日のメルマガで「鬱を発症した」と書かれたときには驚いた。日垣氏の脳梗塞と同様、そういう病とは無縁のイメージだったからだ。
 ふつうの人と違うのは、発症後も、雑誌連載に穴を開けず、テレビやラジオの番組を休まず、メルマガは毎日発行しながら数ヶ月で治してしまったことだ。
 自らも思いもよらない病を経て、世の見方が変わったと書いてらしたが、読者としてもそれは感じていた。

 ~ 日垣さんの書かれたものを見て、ちょっと考えた。昨年の私は鬱だの足の怪我だのずっと愚痴っていたが、まあ、いのちにかかわるものではない。その程度のことをいちいちお伝えしていいのかなと。いいのだろうと思い返した。ひとは誰しも何らかの困難にぶつかる。私のささやかなそういうものでも、共感していただく反応をよく受け取る。じゃあ、それでいいんじゃないかと。 … 日垣さん、快癒を祈ります。 ~

 この言葉を受けて、日垣さんのメルマガにもコメントが載った。

 ~ 私の病状や他の人々の病や健康について正しく理解している教養人はここにもいる。 … さすがだよ。かっちゃん。私のことについて書いてくれたことは全くそのとおりだと思う。一人一人が違うように、病のあり方も痛みの感じ方もそれぞれに重要なのだ。比較をする必要など私もないと思う。ついでながらかっちゃんが何度目かの個別メールでこんな誘いをしてくれた。「元気になったら、一緒に島へ行こうよ」
 うん。一緒に、島へ行こう。 (メールマガジン「ガッキィファイター」) ~

 道は違えども、お互いを「戦友」と意識するかのようなお二人にやりとりに、胸があつくなった。
 こういうやりとりができるようになるために、私達は日々生きるのではないだろうか。
 こういう存在を得ることを幸せというのではないだろうか。

コメント
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