水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

朝で決まる(2)

2016年01月29日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「朝で決まる(2)」

 

 人間の脳が最も効率よく働き、習ったことをぐんぐん消化できる午前中の時間帯。
 この時間に脳が働くようにするためには、必要な睡眠時間を確保しなければならない。
 ただ、個人差があるのは事実だ。6時間で十分な人もいれば、8時間寝ないとすっきりしない人もいるだろう。「明日のために寝よう!」と意志をもって蒲団に入る場合と、なんとなく「眠くなったら寝よう」というテンションの場合とでは、眠りの質にも差が生まれる。
 世の中の「成功者」と呼ばれる人は、ほとんどが早寝早起き型だ。
 規則正しい生活をする人、朝型で勉強したり働いたりする人が成功しやすいことは、科学的には当然の結果であると、脳科学者の中野信子先生は述べられる。


 ~ 私たちの体には、はっきりと確認されているものだけで25種類もの神経伝達物質がありますが、このなかに安心感や安らぎなどのしあわせ感をもたらしてくれるものがあります。そのひとつがセロトニンです。セロトニンは心のバランスを整え、安心感をもたらすために、しあわせホルモンなどとも呼ばれます。「運をよくする」ためには必須の物質、ともいえるでしょう。
 セロトニンは、不規則な生活を送っていると、出にくくなってしまいます。早寝早起きの、規則正しい生活を送ることが大事というのは、この点からもいえることなのです。
 … 睡眠時にはメラトニンという物質が上昇します。メラトニンは、良質な睡眠をつくり出すとともに、体の中の活性酸素を分解し、抗ウイルス作用を強めるなど、体を守り、老化を防止するのにも役立つ重要なホルモンです。
 そしてこのメラトニンは、脳の松果体でセロトニンからつくられます。つまり、セロトニンがしっかり分泌されていないと、メラトニンも減ってしまうのです。
 セロトニンは、朝の自然光を網膜が感じると分泌されます。そしてセロトニンが分泌されはじめた15時間後にメラトニンが分泌を開始するのです。
 つまり、セロトニンとメラトニンを十分に分泌させるためには、もともと体に備わっているサーカディアンリズムにのっとった生活をすること、すなわち朝は早めに起きて朝日をしっかり浴び、夜は早めに就寝することが大事なのです。
  … セロトニンはお風呂に入っているときなどリラックスした状態のときに分泌されることもわかっています。さらにセロトニンがつくられるためには適度な運動も必要です。
 つまり、早寝早起きをして、適度な運動をする、ゆっくりお風呂に入ってリラックスする、というある意味オーソドックスな規則正しい生活が、セロトニンの分泌を促すのです。 (中野信子『科学がつきとめた「運のいい人」』サンマーク出版) ~


 さわやかに起きて、登校して、授業を集中して受けて、体育や芸術の時間も積極的に取り組んで、放課後は部活をして、帰宅後は、御飯を食べて、授業の復習をして、お風呂に入って、暗記ものの勉強をして、寝る。何でもない日常を規則正しく繰り返すことは、科学的に見ると、最も「運のいい人」になる状態、目標に向かって進んでいる状態なのだ。

コメント
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