新年度が始まった。
職員会議、学年会議、教科会議など、各種打ち合わせと、明日の入学式の準備。
恒例の歓迎演奏会は、昨年にひきつづきボーカルグループ「サーム」さんにお願いしてあった。部員みんなを動員して機材を運び込んだあと、リハーサル。一年ぶりに耳にするハーモニーは絶好調とはいえなかったが、本番はきちっとまとめてくれるだろうと予想できる安定感がある。ハモりの納得できないところを何度もやり直すシーンがあったが、プロでさえこうするのだから、素人が徹底して練習しないといけないのはあたりまえだ。
むしろやるべきことを本当にちゃんとやれる人がプロになれると考えるべきなのだろう。才能にあふれていても、地道な努力ができない体質であったために、その道を断念する例は、おそらく枚挙に暇がないはずだ。
誰もが羨むような才能をもっている … とは言えなくても、それを専一に磨いたがゆえにひとかどの存在になれる例もある。
~ おれよりも遥かに乏しい才能でありながら、それを専一に磨いたがために、堂々たる詩家となった者が幾らでもいるのだ。(中島敦「山月記」)~
もちろん、才能そのものは圧倒的に必要だけどね。
本校にしては珍しく、様々なポストや学年団に入れ替わりがあった。けっこう(けっこうは失礼かな)要職について、テンぱり気味の同僚を、きちっといじってあげるのは自分役目なので、ほどよく対応してあげたり、立ててあげたり、なんか新年度迎えておれっていい人になってない? と思う。
授業が始まるとそんな余裕もなくなってしまうかもしれないが。
何はともあれ新年度がはじまった騒々しさは、一種お祭りに近い部分もあり、そのほどよい喧噪のなかに身を置ける幸せを噛みしめながら、言うべきことは臆せず言い、やりたくないことはそんなに無理しないように働いていこうと、けっこう前向きに過ごしている。