水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

そもそも

2016年04月18日 | 日々のあれこれ

 

 現代文2こ、漢文1こ。
 年度初めの授業は、つい根本的なことを語ってしまう。そもそも漢文とは、そもそも評論文とは … 。 でも「そもそも論」は、国語では大事だ。
 ふだん本を読むのなら「○○という小説は面白かった」で終わればいいけど、授業の国語での「読み」は、その経験を転移できなければ意味がない。
 ある文章を読解したなら、その時に身につけた読み方を、他の文章を読むときにも用いるようにする。
 そんな読み方を教えること。
 入試の個別相談をしていると、国語が苦手でなかなか成績があがりませんという訴えを聞くことがある。
 不思議と数学や英語のそれはあまりない。国語が圧倒的に多いには、成績をあげる対策がはっきりしないことに第一の要因がある。
 英語や数学は、かりに成績が悪くても、何をどうすればいいのかが見えやすい。
 国語でそれが見えにくいのは、中学校の授業で「その文章」の読解を行っても、「他の文章」にどう役立てるかが見えにくいのではないだろうか。
 「その文章」をわかるために、どんな読み方をすればいいのか。したのか。
 一つでも何らかの方法が身につけば、「他の文章」を読む際に役立てられる。
 お金に困っている人がいたとき、お金を上げることより、お金をかせぐ方法を教える方が根本的に役に立つのと同じだ。
 それにしても、相変わらず今日もいい授業ができた。こんないい授業を公欠で聞けない子が何人かいるなんて。
 四月の第二週にもう試合をやってる部活って、なんなんだろ。新しいクラスに慣れたり、勉強の意識を根付かせたりする時期としてとらえるべきなんじゃないだろうか。
 そういう意識があまりにないことが、選手の不祥事を生む土壌につながっていると思ってしまうのは、考えすぎかな。

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志(3)

2016年04月18日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「志(3)」

 島田紳助氏は、自分の作った教科書をもとに、相方の松本竜介氏に講義をした。
「これからの時代、何が売れるのか」「どうやったら売れるのか」「俺はこうしたい」 … 。
 もし自分が間違っていて半年経っても結果が出なかったらすっぱり諦める、でもまず半年付き合ってくれと語り、練習を重ねた。
 そうして臨んだ「NHK漫才コンクール」。紳助竜介の芸歴では普通は出場させてもらえない。
「のちのちチャンピオンになる俺らなら、新人相手の戦いなどへでもないから」と会社を説得し、「そこまで言うならすきにせえや」ということになったのだ。
 予選を通過して決勝の8組に残ったことは、紳助には当然のことだった。そして本戦。
 3位と発表されたとき、紳助以外の関係者はみな、「まさかここまでとは」と思ったはずだ。
 しかし紳助氏は負けた悔しさと怒りで、表彰式で「こんなもん、いらん」と花束を投げつける。
 優勝して泣いている先輩にまで「泣いてる場合ちゃうで、ボケコラ」と暴言をはく。
「ほんとうの一番は俺等やいうことをこれから証明したるわ!」とNHKの担当者達に言い放ち会場を後にした。ずいぶん後になって、さすがにあの時はまずかったと紳助氏は考えたそうだが、それほど当時は、自分に自信があったということである。
 その自信には、どんな根拠があったのか。
 彼らが後に大成功を収めることなど、誰も予想していない。彼ら自身も、何か科学的根拠があって、つっぱっていたわけではない。
 何事も、そして誰にとっても、最初の自信に根拠などない点は、同じではないだろうか。
 根拠のない自信を、ほんとうにいけるという確信にかえるものは何か。
 それは、これだけやっている、ここまでやったという努力しかない。
 自分の漠然とした夢を、なんとなくやれそうだという思いを、確かな「志」に形づくっていくには、地道な努力を積み重ねるしかないのだ。


 ~ 君たちの才能は「1」かもしれないし、「5」かもしれない。
 でも、それは自分たちで得たんじゃない。親から与えてもらったもの、神様に与えてもらったもの。だけど、努力は自分で覚えるものです。
 誰でも頑張って「5の努力」をすれば、「5の筋力」を得ることができます。
 それを得ることができたら、この世界が駄目でも、他の世界で絶対成功できます。
 なぜか。この世界が駄目だったら、次に見つけた新しい世界に「5」をかける。それが駄目だったら、また次に見つけた新しい世界に「5」をかける。
 そうやっていったら、そのうちにちゃんと自分に合う世界が見つかって、成功するんです。
「5の筋力」を持っているやつは時間はかかっても絶対成功する。 (島田紳助『自己プロデュース力』ヨシモトブックス) ~


 成功した人は、努力している。ごはんを食べるように、歯を磨くように努力している。

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