水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

プロジェクト・ブラス

2016年06月04日 | 演奏会・映画など

 

 「プロジェクト・ブラス」という若手プロの吹奏楽団の演奏会にみんなで出かけてきた。

 第一部は以下の4曲。

  1 スパーク「メリー・ゴーランド」 
  2 バーンズ「パガニーニの主題による幻想変奏曲」
  3 清水大輔「That's next place ~旅立ち~」
  4 リード「オセロ」

 「メリーゴーランド」スパーク先生の軽快な曲。アンコールピースとしてもけっこう用いられる。出版されてすぐ楽譜買ったかな。こういうのを軽くさらっとやりたいのだけど、大変そうにやったら意味がない。さすがプロはさらっと楽しそうに、とんでもなく「いい」音でオープニングを飾ってくれた。
 続いてバーンズ先生の名曲。清水大輔さんへの委嘱作品と続く。パワー全開の曲が多いので、箸休め的なやさしい曲をレパートリーにしたくて委嘱した作品だそうだ。「旅立ち」は美しい曲だった。ただ音への情感のこもり方がはんぱないので、箸休めというか、むしろ情の濃い女性の枕語りのように(どんな?)感じた。
 「オセロ」全曲を生で聴くのは、はじめてかな。聞いたことあるような気もするけど、思い出せない。昔はコンクールでもよく耳にしたし、いつかやってみたい曲リストにいれて東京佼成さんのCDを何度も聞いた。ライブの「オセロ」は、自分のなかでは今日の演奏が思い出となるだろう。

 休憩を挟んで二部は、

  5 ヘス「ラヴェンダーの咲く庭で」
  6 ヘス「イースト・コーストの風景」
  7 星出尚志「アンバー・ドリーム」
  8 C.コリア・真島俊夫「スペイン」
  9 和泉宏隆・真島俊夫「オーメンズ・オブ・ラブ」

 と、続く。
 以前、浅田真央さんが踊っている曲がいいなあと思って、調べたら作曲者ヘスとあって、ヘスってあの吹奏楽の? 昔定演で演奏したとき最後のホイッスルがならなかった「イーストコースト」の? 打楽器が足りなくてクラパートにシェイカーをふらせたりした「グローバルバリエーション」の? と驚いて映画サントラ版を買って、いいなあ、いつかやりたいなあ、でもうちが最も苦手とするタイプの曲だからなあと思っていた「ラヴェンダーの咲く庭で」を聴けてよかった。
 「イーストコースト」を全曲通しで聴くのは、なぜか今年にかぎって二回目。久しぶりにやろうかな。
 「オーメンズオブラブ」をプロの演奏で聴くのは初めてかな。こんな音がするんだと一番びっくりしたのがこれかもしれない。高校生の演奏も楽しい。大人数で、スタプレつきのそれも。そういう要素抜きで、ちゃんとした音で鳴らしたとき、こうなるのか、これ天国の真島先生のところに絶対とどいてると思ったら決壊してしまった。
 ああ、いい演奏会だった。
 メインとアンコールばかりで構成されたみたいなラインナップだったな。
 こういうバンドがあることを、普通は知らずにおわるだろう。このバンドを中心となって運営してきたチューバ吹きが、なぜか系列校の吹奏楽顧問になり、そのツテで聴くことができた。ご縁としか言いようがない。
 考えてみれば、音大に学んだ同世代の仲間で、これだけのメンバーがたびたび集まって活動できるのも「縁」としかいいようがなく、メンバーの方々もたぶんその有り難さを自覚されているからこそ、今日のような、上手すぎるのに純粋な、美しい音が奏でられるだなあとしみじみ思える。

コメント (2)
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