一部は中学校、高校別々でのコンクール曲の演奏から。高校生の西関東金賞「バルトーク」はさすがで、夏に聴いたときより、ますます理解が深まり表現が豊かになっていたように感じた。
先日バンドジャーナルで読んだ、指揮者大井剛史さんの全国大会への感想を思い出す。
~ プロから見て少しおかしい、あるいは間違っているというような音楽の内容でも、音がすばらしければ金賞がもらえてしまえ … ~
楽器一本一本の音そのものの美を競うコンクールなら、もっと上手なバンドはある。音楽としての構成体でここまでののものに仕上げてくるところが立派で、それがちゃんと評価されたこともすばらしい。慶應志木さんにも同じことが言え、さらに上の次元でやろうとしているということなのかもしれない。
3曲目からは中学、高校が一つになる。50人を越える十分な大編成での「レミゼ」は迫力も十分だ。個人的には民衆の苦しみ、そこから顔を出す一筋の光 … みたいな演出も聴きたくもあったが、それはないものねだりであり、いきおいのあるいい演奏だった。一部の最後は、芸大「ぱんだウインド」の代表でもあるユーフォニウム奏者佐藤采香さんをソリストに迎えてのコンチェルト。本物感がただよう演奏で、入場無料はもうしわけなかった。
休憩をはさんで、二部は「ジャパグラⅦ」(銀河鉄道とかのやつ)、「歌謡曲メドレー」(80年代中心)、「美女と野獣」、「キャラバンの到着」、「ハウルの動く城」。老若男女を満遍なく楽しませる構成のプログラム。アンコールこみで二時間弱の尺は、もう少し聞いてもいいというぐらいで、ほどよい。普通は、どの学校さんの演奏会に行っても、おなかいっぱいになる。フルコース食べて、もう十分なのに、こってりデザートを出され、さらにしめのラーメン出てきたみたいな。うちももう少し洗練してもいいかな、でも年に一回だしなあ。
鳥越先生らしい、端正な演奏会だった。