3学年だより「文武両道(2)」
そう考えた西山先輩がまず行ったのは、1日24時間のプランニングだ。
24時間の中から、授業と部活、6時間の睡眠を引き、いかに勉強時間を多くつくり出せるか。
電車に乗っている時間、休み時間は当然勉強だ。
自宅で夕飯を食べる際には英語のリスニングをする。
大会の開会式では入場行進を待つまでの時間がもったいないと感じ、ポケットに忍ばせた単語帳を取り出したこともあるという。
毎日キッチンタイマーで勉強時間を測る。それを記録する。
定期試験では、やればやっただけ成果があがることに気づくと、勉強が楽しくなっていった。
高校2年の春。東大野球部と練習試合を行う機会があり、当時の監督の浜田一志先生のお話をきくことができた。
「東大に合格するのは天才ばかりではない、むしろそういう学生は一握りだ」という言葉を聞きながら「自分も努力すれば可能性はあるのか … 」という思いが芽生えた。
睡眠時間は絶対にけずらずに、時間配分を再度見直し、取り組むようになった。
勉強への工夫は、野球にもいかされる。
同学年のエース宮崎君、ライバルの山田君、一学年下には蔭山君 … 。
なんとか自分もメンバーに入りたい。ストレートが125km/hの自分がメンバー入りするには、来るとわかっていて打てないレベルのカーブを投げたいと研究を重ねた。
残念ながら3年になって肩をこわし、裏方に回ることになったが、退部はしなかった。
~ 「もし野球部を辞めて受験で落ちたとき、全部自分の責任になっちゃうので。僕は10分サボったことも気にしちゃうタイプです。全部の時間を勉強にささげるのは、結構難しいと思っていました。身体的には二つやっていると辛くて、一つのほうが楽かもしれないけど、精神面では一つしかないのは結構きついなと思います。それを失ったとき、何もなくなっちゃうので」
西山は自身を「悲観主義」と捉えている。「サボったら、全部自分のせい」と考える傾向があり、逆に野球を続けることで勉強に手を抜けない環境をつくり出した。時間を区切った中で自分自身をうまくコントロールし、目標の東大合格という山を登り切った。
「川越東じゃなければ、こんなに勉強しなかったと思います」 (中島大輔「REAL SPORTS」4月4日版)~
野球部がどれくらい練習に時間を割いているかは、みなさんの方が知っていると思う。
仮に野球部の他のメンバーがそれほど勉強しなかったなら、違った結果になったのではないか。
全員が練習もがんばり、同じテンションで勉強にも向かう。
みんなでやるからこそ文武両道は可能だという事実を、先輩達は身をもって示してくれた。
西山先輩たちが苦労してむりやり生み出した時間を、今のみなさんは濡れ手で粟の状態でわしづかみにしている。共通テストの範囲は、ほぼほぼ学習し終わってもいる。
やってやろうじゃないか。もう一回取材させてあげようじゃないか。
そう考えた西山先輩がまず行ったのは、1日24時間のプランニングだ。
24時間の中から、授業と部活、6時間の睡眠を引き、いかに勉強時間を多くつくり出せるか。
電車に乗っている時間、休み時間は当然勉強だ。
自宅で夕飯を食べる際には英語のリスニングをする。
大会の開会式では入場行進を待つまでの時間がもったいないと感じ、ポケットに忍ばせた単語帳を取り出したこともあるという。
毎日キッチンタイマーで勉強時間を測る。それを記録する。
定期試験では、やればやっただけ成果があがることに気づくと、勉強が楽しくなっていった。
高校2年の春。東大野球部と練習試合を行う機会があり、当時の監督の浜田一志先生のお話をきくことができた。
「東大に合格するのは天才ばかりではない、むしろそういう学生は一握りだ」という言葉を聞きながら「自分も努力すれば可能性はあるのか … 」という思いが芽生えた。
睡眠時間は絶対にけずらずに、時間配分を再度見直し、取り組むようになった。
勉強への工夫は、野球にもいかされる。
同学年のエース宮崎君、ライバルの山田君、一学年下には蔭山君 … 。
なんとか自分もメンバーに入りたい。ストレートが125km/hの自分がメンバー入りするには、来るとわかっていて打てないレベルのカーブを投げたいと研究を重ねた。
残念ながら3年になって肩をこわし、裏方に回ることになったが、退部はしなかった。
~ 「もし野球部を辞めて受験で落ちたとき、全部自分の責任になっちゃうので。僕は10分サボったことも気にしちゃうタイプです。全部の時間を勉強にささげるのは、結構難しいと思っていました。身体的には二つやっていると辛くて、一つのほうが楽かもしれないけど、精神面では一つしかないのは結構きついなと思います。それを失ったとき、何もなくなっちゃうので」
西山は自身を「悲観主義」と捉えている。「サボったら、全部自分のせい」と考える傾向があり、逆に野球を続けることで勉強に手を抜けない環境をつくり出した。時間を区切った中で自分自身をうまくコントロールし、目標の東大合格という山を登り切った。
「川越東じゃなければ、こんなに勉強しなかったと思います」 (中島大輔「REAL SPORTS」4月4日版)~
野球部がどれくらい練習に時間を割いているかは、みなさんの方が知っていると思う。
仮に野球部の他のメンバーがそれほど勉強しなかったなら、違った結果になったのではないか。
全員が練習もがんばり、同じテンションで勉強にも向かう。
みんなでやるからこそ文武両道は可能だという事実を、先輩達は身をもって示してくれた。
西山先輩たちが苦労してむりやり生み出した時間を、今のみなさんは濡れ手で粟の状態でわしづかみにしている。共通テストの範囲は、ほぼほぼ学習し終わってもいる。
やってやろうじゃないか。もう一回取材させてあげようじゃないか。