水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「近代の原罪」(東大2020年)の授業(1)

2020年04月12日 | 国語のお勉強(評論)
東大2020年第1問 小坂井敏晶「『神の亡霊』6近代の原罪」による

①段落

 〈 学校教育を媒介に階層構造が再生産される 〉事実が、日本では注目されてこなかった。米国のような人種問題がないし、英国のように明確な階級区分もない。エリートも庶民もほぼ同じ言語と文化を共有し、話をするだけでは相手の学歴も分からない。「一億総中流」という表現もかつて流行した。〈 そんな状況 〉の中、教育機会を均等にすれば、貧富の差が少しずつ解消されて公平な社会になると期待された。しかし、〈 ここ 〉に大きな〈 落とし穴 〉があった。

Q1「学校教育を媒介に階層構造が再生産される」と反対の内容を表す部分を抜き出せ。
A1 教育機会を均等にすれば、貧富の差が少しずつ解消されて公平な社会になる

Q2「そんな状況」とはどのような状況か。25字以内で記せ。
A2 日本には明確な階層構造がないように見える状況。

Q3「ここ」は何を指すか。40字以内で記せ。
A3 教育機会を均等にさえすれば貧富の差は解消され公平な社会が実現できるという考え方。

Q4「落とし穴」とは、何をこのように表現しているのか。70字以内で記せ。
A4 近代において、公平な社会を実現する方策は明確なはずだったが、実際には全くそれがかなわず、むしろ階層構造が際立つ結果となってしまった事態。


日本 人種問題がない
   はっきりした階級区分がない
   エリートも庶民も同じ言語・文化  
   「一億総中流」
     ∥
 表面的には平等
     ↓
教育機会の均等化 → 公平な社会の実現
   ↑
   ↓
 大きな落とし穴
     ∥
学校教育 → 階層構造の再生産
コメント
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